6月11日のWWDC開幕を前に、Macの新製品に関する噂が一気に増えてきている。iOSデバイス関連では新型iPhoneの発表があるかないかというところに注目が集まっているが、Mac製品群に関してもフルラインナップでの更新が見込まれるなど、同社にとって久々の大型ローンチの時期になりそうだ。

以前より、Retina Display搭載の新型MacBook Proや、プロセッサが強化された新型Mac Proの噂はあったが、ここへきてフルラインナップ更新の話も出てきている。フルラインナップ更新については、9 to 5 Macのほか、Apple Insiderも報じている。特に後者のApple InsiderについてはSKU一覧までを掲載しており、これがもし事実だとすれば、Mac miniを除くすべてのMac製品ラインナップが一挙に刷新されることになる。

ラインナップが一斉に更新されるという予測の理由の1つは、Intel最新の第3世代Intel Coreプロセッサ(通称"Ivy Bridge")のラインナップが6月初旬のComputex開催のタイミングで出揃ったことにある。これまで4コア搭載のミッドレンジ製品しかラインナップされていなかったIvy Bridgeが、一気に薄型ノートPC向けの2コアデザインなども加えて拡充されており、いわば「機が熟した」状態になっている。もしラインナップの一挙更新が行われた場合、これまでにない「買い換えに最も適したタイミング」となるかもしれない。

2010年8月以来のリニューアルとなるMac Proは、新アーキテクチャへの移行は確実と見込まれる

iMacとMacBook Airについては詳細が不明であるものの、前述の理由で少なくともプロセッサの更新が行われる可能性は高いとみられる。残るMacBook ProとMac Proについてだが、まず後者のMac Proはかなり高い確度で新製品が登場すると予測されている。というのも、全米のApple Retail StoreでMac Proのエントリーモデルの在庫がほぼゼロの状態になっていることをMacRumors9 to 5 Macが報じており、「在庫が急減すると新製品登場が近い」という過去の事例から、新製品の登場と考えてほぼ間違いなさそうだからだ。長らくMac Proの更新が行われずにやきもきしていたユーザーたちには朗報といえそうだ。9 to 5 MacではさらにMac Proのスペック予測も行っており、Intelが年初に発表したXeon E5の採用のほか、USB 3.0への対応、少なくともThunderboltへの対応は行われるとみている。新型Xeon搭載は当然として、プロフェッショナル用途を考えれば高速I/Oインターフェイス搭載も自然な流れといえるだろう。

また完全な噂レベルではあるが、新型MacBook Pro 13インチモデルについてはRetina Displayが採用されず、従来の1,280×800ドットのディスプレイをそのまま採用したマイナーチェンジモデルに留まるとの話もある。この解像度は現行のMacBook Air 13インチと比較しても低く、今後トレンドがRetinaに向かうと考えれば、イレギュラー的な存在となるだろう。ただ、もしRetinaディスプレイの調達コストが高く、それが本体価格を押し上げる要因になるのだとすれば、エントリーモデル用としてこうした解像度の製品を残すのも不思議ではない。いずれにせよ、WWDC当日での発表を楽しみに待ちたいところ。注目の基調講演は現地時間の11日午前10時、日本時間の12日午前2時からだ

もっとも変化が大きそうなMacBook Pro。光学ドライブ排除、17インチモデル廃止などの噂・予測が流れたこともあり、どのような製品になるか期待は高まる