ディー・ワークスは、スマートフォンアプリの利用動向を分析する新サービス「Symbigun」を発表した。同サービスは、アプリの起動回数を記録することで、単なるダウンロード数ではなく、実際の利用動向を把握できる点が特徴で、無料で利用できるプランを用意することで、幅広い開発者が利用できるようにしている。

グラフィカルにアプリの利用動向を分析できるSymbigun。画面は有償プランのもの

Symbigunは、スマートフォンのアプリに特化した解析サービス。もともとディー・ワークスは、携帯電話向けサイトのアクセス解析サービスから始まり、スマートフォンアプリの利用動向解析を行う「wellout」サービスを提供してきた。Symbigunでは、その中でも「アクティブユーザー解析」に特化することで利用料金を低廉化し、独立サービスとして提供する。

スマートフォンアプリは、App StoreやGoogle Playからのダウンロード数で利用者数を推測することはできたが、ダウンロード後にどれだけ利用されたか、継続して利用されているか、といった情報は解析しづらかった。

welloutを導入することでそうした分析も可能だったが、利用料金が必要で、一定規模のベンダーでなければ利用しにくいといった問題があった。今回発表したSymbigunは、前述の通り、無料プランを用意することで、幅広い開発者が利用できるようにした。

Symbigunは、iOS/AndroidアプリにSDKを組み込み、アプリの起動を記録して送信。サーバー側で端末メーカーやOSバージョンとともにグラフィカルなグラフ表示で利用者を解析できる。これにより、ユニークなユーザーがどれだけ起動しているか、どんなユーザーが利用しているかといった情報が分析でき、広告効果の測定や利用者動向の分析なども可能になる。

月間のアクティブユーザー数を公開する機能も備えており、TwitterやFacebookのSNSに投稿したり、ユーザー数に応じた「バッチ」が取得でき、ソーシャルネットワークを使ったブランディングもできるとしている。

ユニークユーザーの取得には端末の固有IDを利用。無料サービスでは、1カ月1,000ユニークユーザーまで計測でき、スマートフォンかタブレットか、機種やメーカー、OS、キャリアといった情報が取得できる。月額3,150円(年額31,500円)のベーシックプランでは、1万ユニークユーザーまで対応し、使われているアプリのバージョンや画面解像度などの情報も取得可能になる。ユーザー数が無制限のプロプランでは、月額31,500円(年額31万5,000円)で、3カ月・半年の推移やレポートのダウンロードなどもできる。

プランごとの機能比較表

開発者は、アプリにSDKを組み込み、取得された情報はディー・ワークス側のサーバーにアップロードされ、解析結果として表示されるため、個別の情報は開発者に送信されない。固有IDの取得は、ユニークユーザーの獲得のために必要で、漏えい時の対策としてハッシュ化して送信する。取得される固有IDについては公開していない、という。

ディー・ワークスでは、実際の起動回数を見ることで、効果的にアプリの利用動向が分析できるとしている。アプリを起動した情報を取得するため、プライバシー上の問題もあるとして、開発者側には、ユーザーに対してSDKを組み込んで取得される情報があることを提示することを求めるほか、オプトアウトの機能も提供する。オプトインについては、今後検討していくとしている。