Windows 8 Release Preview登場

2011年1月8日。MicrosoftのCEO(最高経営責任者)であるSteven Ballmer(スティーブ・バルマー)氏が、CES2011において初めて発表した"Windows 8"。当時はまだ開発コード名でしたものの、そこから約一年半後の2012年4月17日。ようやく正式名称が同呼称であることを発表しました。近年の同社は開発中のWindows OSを一部のユーザーやパートナー企業だけでなく、一般公開することでバグフィックスや新機能の反応を見ています。

Windows 8も過去のWindows OSと同じく、2011年9月にハードウェア/ソフトウェア開発者向けとなる「Windows 8 Developer Preview」を公開。こちらは事実上のアルファ版でした。続く2012年2月に一般向け「Windows Consumer Preview」を公開。こちらは事実上のベータ版で、従来はパブリックベータと読んでいましたが、アルファ/ベータといった呼称は一般向けではないとの理由で、各名称を用いています。そして、2012年6月1日に、事実上のRC(Release Candidate:出荷候補)版となる「Windows 8 Release Preview」を公開しました。

Windows 8 Release PreviewのMetroデスクトップ画面。ビルド番号は8400になりました

あくまでもWindows 8 Release Previewも開発途中版ですが、実際は新機能の実装などは終了し、最終的な製品に至るまでのバグフィックスにとどまっています。Windows 8 Developer Previewから同Release Previewに至るまで、数十万にも及ぶ変更が加わっているそうですが、残すは意図しない動作や誤ったメッセージといった動作検証という程度。また、これまでの各プレビュー版と同じように、希望するすべてのユーザーが入手できます。正式版のWindows 8を導入予定の方や、同OSの使い勝手を確認したい方はチャレンジしてみましょう。

実際のダウンロードに取りかかる前に、Windows 8 Release Previewに関する注意点を紹介します。前述のとおりWindows 8 Release PreviewはRC版相当のため、安定性に不安を覚える必要はありませんが、必ずしも万全ではありません。可能であれば重要なデータを保存していないコンピューターに導入してください。難しいようであれば、導入前にシステムのバックアップを取ることをお勧めします。

また、Windows 8 Release Previewに関する技術サポートは用意されていませんので、何らかのトラブルや疑問に思うことがあればMicrosoft Answers Windows 8 Release Previewフォーラムにアクセスし、既存の書き込みを参考にしてみましょう。丁寧に質問すれば他のユーザーが回答してくれるかも知れません。

さて、Windows 8 Release Previewのシステム要件は図のとおり。各プレビュー版のそれと大差ありません。ハードウェアスペックを見る限り、Windows 7が安定動作しているのであれば問題ないでしょう。ただし、マルチタッチジェスチャー機能を使用するにはタブレットデバイス、もしくはマルチタッチ対応のディスプレイが必要です。現時点でマルチタッチ対応のタブレットデバイスは比較的高価ですが、Windows 8が爆発的にヒットすれば状況が変化するかも知れません(図01)。

図01 Windows 8 Release Previewのシステム要件