「Kate」の基本設定を行う

それでは、いつもどおりKateのカスタマイズに取りかかりましょう。まずは配色とフォントから。Kateの設定は<設定>メニューの<Kateを設定>から起動する設定ダイアログから行います。左ペインに並ぶツリーから<フォントと色>を選択することで、基本的な配色やフォント、強調表示スタイルの設定が行えます(図22~23)。

図22 <設定>メニューから<Kateを設定>をクリックします

図23 ツリーから<フォントと色>をクリックし、右ペインの各タブで配色やフォントを設定します

ダイアログから見てわかるとおり、スキーム機能が用意されているため、ネット上で公開されているスキームや強調表示用スキームを読み込むことが可能です……が、検索してもこれがなかなか見つかりません。ユーザーが作成したKDEのテーマや配色を配布しているKDE-look.orgでも、kateschemaファイルは数える程度。KDE系WikiのKDE TechBaseには、いくつかのサンプルが掲載されていますが、こちらは画像のみ。残念ながら自身の手で変更しなければならないようです。

しかし、<色>タブに並ぶ項目は背景色などばかりで、どのように変更したらよいかわからない方もおられるのではないでしょうか。文字の表示色は<標準スタイル>タブで行います。一般的なテキストエディターでは、設定項目は一カ所にまとまっているため筆者も最初戸惑いました。しかし、慣れてしまえば難しいことはありませんので、お好みの配色およびフォントを指定してください(図24~27)。

図24 最初に<新規>ボタンをクリックして新しいスキーマを作成します。後は各項目をクリックして好みの色に変更しましょう

図25 文字色は<標準スタイル>タブで設定します。まずは「通常」の基本色と選択時の色を変更してください。他の各色は使いながら変更すればいいでしょう

図26 最後に好みのフォント(ここでは「メイリオ」)を選択し、「Kateのデフォルトスキーマ」を図24で作成したものに変更してから<OK>ボタンをクリック

図27 これでKateの配色が変更されました

続いて折り返し等の設定を行いましょう。ツリーの<表示>に含まれる各タブで設定が可能です。まずは<全般>タブで<動的な行の折り返し>を有効にしましょう。そして<境界>タブで<行番号を表示する>を有効にすれば、各機能が有効になります。ただし、日本語文書作成機能が優れたテキストエディターと異なり、行番号のカウントは改行単位のため、折り返しマーカーを表示させておきましょう(図28~30)。

図28 <表示>をクリックし、<動的な行の折り返し>をクリックしてチェックを入れます

図29 <境界>タブを開き、<行番号を表示する>をクリックしてチェックを入れてから<OK>ボタンをクリックしましょう

図30 これでウィンドウサイズによる折り返しが有効になり、行番号が表示されます

そのほかの設定はユーザーの好みに応じて設定すべきものですが、便利なのが自動括弧生成機能。文字どおり開き括弧を入力しますと閉じ括弧が自動的に入力されるというものです。残念ながら全角括弧には対応していませんが、半角括弧を多用するのであれば有効にしておきましょう(図31~32)。

図31 <編集>をクリックし、<全般>タブにある<自動括弧生成>をクリックしてチェックを入れたら<OK>ボタンをクリックします

図32 ご覧のように開き括弧を入力しますと、閉じ括弧が自動的に挿入されます。ただし全角括弧には対応していません

ちなみにKateはLinux出身のテキストエディターらしく、Vi風のキーアサインを有効にする機能が用意されています。また独自のキーアサインを追加し、既存のキーアサインを削除することもできるため、これまで変則的なViを使ってきた方でも手になじむのではないでしょうか(図33~34)。

図33 <編集>をクリックし、<VI入力モード>タブにある<VI入力モードを使う>をクリックしてチェックを入れたら<OK>ボタンをクリックします

図34 [:]キーを押すとViのステータスバーが現れます。Viと同じように検索や置換といったコマンドはここから実行しましょう