米AMDは15日、これまで「Trinity」の開発コードネームで知られていた新世代の「AMD Aシリーズ」APUを発表した。第一世代のLlanoの後継となる第二世代のAPU製品で、今回の発表ではまずノートPC向けモデルが投入され、デスクトップ向け等の他のTrinityは、今後追加で発表される予定。

「Trinity」のダイ写真

Llano→Trinityでの向上ポイント。特にPerformance/Wattは2倍をアピール

Trinityのアーキテクチャは、メインストリームノートPCと薄型ノートPC、オールインワン型PCと従来のデスクトップPC、ホームシアター用PC、組み込み向けを対象としている。今回はノートPC向けモデルのラインナップが先行して発表されており、各モデルの仕様等は以下の表の通り。前世代ではAMD A8までだったところ、AMD A10というシリーズが追加されている。

■AMD Aシリーズ(Trinity) 通常版ラインナップ
モデル A10-4600M A8-4500M A6-4400M
CPUコア数 4 4 2
CPUクロック(ベース) 2.3GHz 1.9GHz 2.7GHz
CPUクロック(Turbo Core) 3.2GHz 2.8GHz 3.2GHz
L2キャッシュ 4MB 4MB 1MB
Radeonブランド HD 7660G HD 7640G HD 7520G
Radeonコア数 384 256 192
GPUクロック(ベース) 497MHz 497MHz 497MHz
GPUクロック(Turbo Core) 686MHz 655MHz 686MHz
最大対応メモリ DDR3-1600、DDR3L-1600、DDR3U-1333
TDP 35W 35W 35W
パッケージ FS1r2 FS1r2 FS1r2
■AMD Aシリーズ(Trinity) LV/ULV版ラインナップ
モデル A10-4655M A6-4455M
CPUコア数 4 2
CPUクロック(ベース) 2.0GHz 2.1GHz
CPUクロック(Turbo Core) 2.8GHz 2.6GHz
L2キャッシュ 4MB 2MB
Radeonブランド HD 7620G HD 7500G
Radeonコア数 384 256
GPUクロック(ベース) 360MHz 327MHz
GPUクロック(Turbo Core) 497MHz 424MHz
最大対応メモリ DDR3-1333、DDR3L-1333、DDR3U-1066
TDP 25W 17W
パッケージ FP2 FP2

各Aシリーズの競合比でのポジショニングと、搭載ノートPCのプライスレンジの表

FS1r2のパッケージ

薄型のFP2パッケージ。FS1r2はピンだが、こちらはBGA

第二世代Aシリーズ(Trinity)では、製造プロセスはLlanoと同様のGLOBALFOUNDRIESの32nm SOIを採用。ダイサイズはLlanoの228平方mmからTrinityでは246平方mmへ微妙に大型化した一方、トランジスタ数がLlanoの11.78億個から13.03億個へと増加している。

Trinityのダイの構造概要

内部構造は従来のLlanoと大きくは変わらず、CPUコアとGPUコア、Memory InterfaceとMedia Accelerator、Platform Interfaceが統合され、これがAシリーズチップセットに接続される。CPUコアはLlanoがK10由来のStarsコアだったところ、TrinityではBulldozerベースのPiledriverに入れ替わった。GPUコアも一世代新しくなり、DirectX 11に対応するVILW4世代のNorthern Islandsコアとなっている。

Piledriverコアの概要

GPUコアの概要。Northern Islandsが採用された

新機能の「Turbo Core 3.0」。Llanoの世代ではCPUのみがTurbo Coreの対象となったが、TrinityのTurbo Core 3.0ではCPUとGPUの両方がTurbo Coreの対象となる

UVDも世代が上がり、新しいフォーマットのサポートや、出力ストリームの強化などが行われた

新機能や実パフォーマンス等のさらなる詳細は、以下の特集記事を参照いただきたい。

■「Trinity」アーキテクチャ徹底研究!! 第二世代のAMD AシリーズAPUを試す
http://news.mynavi.jp/special/2012/trinity/