本田技研工業は3月27日、埼玉県と共同で取り組んでいる実証実験の一環として、高圧水電解システムを適用した「ソーラー水素ステーション」を同県庁敷地内に設置したと発表した。同社は同日、一般家庭のおよそ6日分の使用電力を供給できる、最大出力9kWの外部給電機能を装備した燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」を新たに開発し、埼玉県に納車した。

今回、実証実験は、環境省の委託を受けた実証実験の一環として、水素の製造から、貯蔵、供給までのプロセスにおいてもCO2を一切排出しないソーラー水素ステーションを設置する。このソーラー水素ステーションは、太陽光と商用電源を併用し、24時間で1.5kgの水素を製造する。1.5kgの水素は、FCXクラリティが約90マイル(約150km)走行することができる量に相当する。

ソーラー水素ステーション&FCXクラリティ

同ステーションを拠点に、外部給電機能を装備したFCXクラリティを公用車として活用することによって、実際の都市環境下でのCO2削減効果の検証を行うとともに、緊急時に移動可能な発電設備としての実用性を検証する。

同ステーションは、ホンダの独自技術である高圧水電解システムにより、水素の製造と圧縮を一体化することでコンプレッサーが不要となり、小型・低騒音化を実現する。