クリエイターに聞く、ペンタブレット「Intuos5」の使い心地(前編)

ワコムのペンタブレット新製品「Intuos5」が16日に発売となる。そこで、同製品の試用を1カ月ほど行ってきたクリエイターに、その使い心地や今後リリースされる製品への要望などを聞いてみた。本レポートでは、クリエイター達の率直な感想を、3回に分けてお伝えする。

Intuos5(インテュオスファイブ)は、Intuos4から搭載された2,048レベルの筆圧機能や、最小で1gの筆圧荷重を感知する高い認識機能を継承しつつ、新UI技術「ヘッドアップディスプレイ」の採用、ワイヤレス接続への対応、マルチタッチ対応モデルの追加、そしてタブレット本体や付属ペンにソフトなラバー素材を採用するといった改良が加えられた、プロフェッショナル向けのペンタブレットだ。

feebee氏(イラストレーター) 「画家的な使い方ができるかも」

今まで使っていたIntuos4と比べて、Intuos5はマルチタッチ機能などを取り入れ、アップルのような進化を遂げたと思います。Intuos4でも十分に満足な機能を持っていましたが、さらに進化してできることが増えたので、自分がそれらの機能を使いこなせるように頑張らなきゃと思います。

Webサイトを見るような日常的な作業を指で操作できるのも便利だし、私は減りの早いフェルトのペン先を愛用しているので、これまでペンで行っていた作業がタッチ操作で行えるようになったのも魅力ですね。

エクスプレスパッドは慣れの部分が大きいので、今までの環境で染み付いている操作を、強制的に新機種の操作方法に覚え直す必要があるかもしれません。でも、モニタ上で機能の確認ができるヘッドアップディスプレイ機能が追加されたので、飲み込みは早いと思います。

画面から離れても操作ができるワイヤレス対応も良いですね。例えば、構図や色合いなどを確認する際に、画面上で表示倍率を変更して確認するのと、自分が画面から離れて確認するのとでは違うので、拡大表示したものを離れて見て確認し、ちょっとここに赤を足したい、といった画家的な使い方ができるかもしれませんね。

八田勧生氏(サイバーエージェント / デザイナー) 「ワイヤレスでも有線と同じように使えます」

Intuos5のマルチタッチ機能は、時代に合っていると感じました。タッチ操作にショートカットを割り当てることができるので、今までキーボードで行っていた操作をタブレットに手を置いたまま行えるので、すごく便利になったと思います。

ただし、タッチ操作に割り当て可能な機能の数に限りがあるので、ショートカットを多用する使い方だと、結局キーボードと併用する使い方になるかもしれません。次のバージョンアップがあるとしたら、タブレットにiPadのようなキーボードモードがあると良いですね。使いやすいかどうかは、使ってみないと分かりませんが。

エクスプレスパッドに関しては、真ん中のふたつのボタンに凹凸が付いたので、慣れていけば画面から目線を離さずに操作できるようになると思います。

ワイヤレスに関しては、有線と比較しても反応の遅延は全く感じず、今までと同じように使用できています。

櫻井綾乃氏(サイバーエージェント / デザイナー) 「デスクの周りがきれいになりました」

Intuos5のワイヤレス機能のおかげで、デスク周りがきれいになりました。今までは、ディスプレイ内蔵のUSBハブに繋いでいたので、USBケーブルが長過ぎて余ってしまい、ケーブルを隠すのにも困っていましたから。また、八田と同じく有線の場合と比較しても反応が遅いとは感じませんでした。

ラバー素材の採用に関しては、手触りが良くなったのはもちろん、指紋が付かなくなったことも嬉しいですね。デザインも洗練されたと思います。

次のバージョンに期待するのなら、私もキーボードモードが欲しいですね。iPadやアンドロイドのタブレットなどの操作に慣れているので、キーを押した感触が無くても大丈夫だと思います。