専用窓口でとくに重要な「ヒアリング能力」

「やりたいことがあるが、どうしたらいいかわからない」「家族や身近な人に聞くのはちょっと恥ずかしい」。らくらくパソコンのユーザーであるシニア層は、PCに対して多くの不安や悩みを持っているという。

「らくらくパソコン専用電話相談窓口」では、専任のスタッフがサポートに携わり、ユーザーの相談に対応している。その際、「何をどのように聞いたらいいかわからない」というユーザーも多く、「何をしたいか」を聞き出すことが大切になってくる。

富士通 コンタクトセンター統括部 統括部長 佐藤俊彦氏

富士通 コンタクトセンター統括部 統括部長 佐藤俊彦氏は「一般窓口もかなりの品質で対応させていただいていると思っているが、らくらくパソコンの窓口ではより高いスキル、『お客様が真に求めていること』をきちんと読み取るヒアリング能力の高さが必要になる」と話す。

相談の内容も広範囲にわたるため、「らくらくパソコン専用電話相談窓口」では1つの窓口でPCの活用相談から技術相談や修理の相談まで一括でサポートするという。一般の窓口のように、技術的な相談や修理の相談といった内容により、サポートダイヤルのガイダンスに従って窓口が振り分けられる仕組みはとっていない。

「作業の代行」ではなくアドバイスと手助けを

ユーザー層の違いに合わせて、一般のサポート窓口と「らくらくパソコン専用電話相談窓口」に寄せられる問い合わせの内容も違いがある。一般の窓口の場合は主にトラブルシューティングに関する問い合わせが多いそうだが、「らくらくパソコン専用電話相談窓口」の場合は「○○をしたいがどうしたらよいのか」という活用の相談が多く寄せられるという。

他社製のソフトウェアの使い方やプリンタなどのPCと連携する製品の使い方、中にはインターネットショッピングのやり方など、さまざまな相談があるが「できる限り対応」(佐藤氏)するという。例えば、当該の製品の情報をWebから検索して使い方をアドバイスしたり、リモートサポートで同じ画面を見ながらインターネットサービスのやり方や旅行のネット予約などのレクチャーをすることもあるそうだ。

その際に重視しているのが、「操作の代行」をするのではなく、「手助け」を行うことだ。「操作の代行をしてしまうと、操作が覚えにくくなってしまう。これは長期的に見ると全然ハッピーではない。多少時間はかかってもお客様自信に覚えていく手助けをする。その方が再問い合わせも減ると考えている」(佐藤氏)という。

サポートのデモを実演してもらった際も、それが見て取れた。「ここのボタンを押してみましょう」とポイントを指し示すことはするが、決して操作自体は行っていなかった。さらに一連の操作が終わった後で、もう一回はじめから操作の「おさらい」をし、問い合わせ客にその操作を覚えてもらうよう努めていた。

サポート力の訴求が今後の課題

きめ細かい対応と高い満足度を誇るサポートだが、実際の売り場でそれをアピールすることはなかなか難しい。「PCをお買い上げいただく際の店頭で、サポート力までお客様に分かっていただけるかが課題」と佐藤氏は話す。PC購入の際は価格や機能、スペックといったところに目が行きがちだ。サポートサービスは利用してみないとその真価が判断しにくく、目に見えない。「すごく悔しいが、お客様に目に見える形で訴求していくのは難しい部分がある」(佐藤氏)というのが実際のところだ。

そのため富士通はまず、販売店スタッフを中心にサポートセンターの見学やサポート体制を認知してもらうことで、「販売店の中にわれわれの良さを伝えてファンになってもらう」(佐藤氏)というところからはじめるという。そしてもちろん最終的には、販売店から購入客にその姿勢を伝えてもらうというのが目指すところとなるだろう。

サポートセンター内の休憩所の様子。畳の一角もありリラックスしたムードが広がる

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