次に構造というか設計図である。

電源(Photo07~Photo11)(PDFはこちら:01_Power.pdf)

電源は重さがちょっとあるので、底板は4枚重ねとして、更にダンボールの方向性を互い違いにすることでたわまないようにし、その上に電源が丁度すっぽり入る形に18枚切り抜いて重ねる。注意することは、電源ケーブルの抜き差しで電源が奥に押し込まれたり逆に引っ張られたりしないように、前後ともに引っかかるようにしておくことと、電源ケーブル出口のところを広く開けておかないと、ケーブルの曲がりが取れなくなることだ。

Photo07: 電源部設計図。寸法は全てmm。これを全部木工用ボンドで重ねて接着。

Photo08: フロントパネル側から見るとこんな構造になる(Photo08)。吸気ファンは上を向けて設置しないと、電源部の排気ができなくなるので注意。

Photo09: 側面から。電源ケーブルの曲がりの様子がお分かりかと思う。これでもちょっと狭いくらい。

Photo10: 背面の排気部。当然ながらATX12VとかETXだともうすこし開口部が広くなる。

Photo11: 側面からもう一枚。今回はケース内の吸気は側面から、というコンセプトなのでダンボールの目の向きを横方向に揃えることが重要。

マザーボード(Photo12~Photo17)(PDFはこちら:02_MB.pdf)

要となるマザーボード部。今回の場合、

・マザーボードの位置を固定する(前後左右に動かないようにする)。
・バックパネルを固定する。

をダンボールだけでやるのに結構苦労した。実は最初にこのマザーボードモジュールを作り始めたのだが、寸法をきちんと取るのに苦労した。特に背面などを見るとダンボールを継ぎ足しているのが判るかと思う(Photo16)。またこのマザーボードモジュールが最初に作ったものだったこともあって、ケーブルを通す穴の位置が前後逆になっている(図面では正しい向きに直してある)など、色々苦労を強いられることになった。

またフロントパネルはフラップ構造にして、フラップを開くとスイッチやLEDが見えるが、普段は隠れることにした。このために中央の一箇所を蝶番で留める構造になっている。加工方法は図6の通りで、マザーボードモジュールは「蝶番の反対側も固定(1)」の状態である。ただPhoto13を見ていただくと判るようにあまり美しくは無い。このため、光学ドライブモジュールでは「蝶番の反対側も固定(2)」の様にフロンパネルを2枚重ねにして、間に蝶番を挟みこむことにした。ちなみにこのままだとフロントパネルが常に開きっぱなしになるので、マグネットシートを細く切ってホットボンドでパネル裏面と本体に貼り付け、これで固定するようにしている。

図6:

Photo12: 寸法は全てmm。一番複雑なのがこれ。フロントパネル部以外は全部重ねて木工用ボンドで接着。フロントパネルは下側をホットボンドで接着した。

Photo13: フロントパネルは蝶番1箇所で固定。あんまり美しくない。パネルの白い帯と、本体側上部にある黒い帯がマグネットシート。吸引力はあんまり強くないが、普通はこんなもんでいいだろう。

Photo14: フロントパネル。左の穴2つがPower/HDDのLED、右の穴2つがReset/Powerのスイッチ。スイッチ操作の場合は穴に何かとがった物を差し込んで押すという安全設計。

Photo15: 本体を背面から。スイッチやLEDの取り付け具合がお分かりかと思う。

Photo16: 背面パネル付近。一度背面は大きく切り取り、ついで現物あわせの形でダンボールを追加してやっとこの形になった。一応これでちゃんと背面パネルは保持される(ちょっと傾いているけど)。

Photo17: 側面から。これでも高さ方向のゆとりはぎりぎり。

HDD(Photo18~Photo20)(PDFはこちら:03_HDD.pdf)

HDDは今回3.5inch×1ということで、ご覧のとおりシンプルである。ポイントとしては、

・HDD本体が前後左右に動かないようにする。
・HDD後端に配線の分のマージンを取る

程度である。フロントパネルはもう単に木工用ボンドにより接着で済ませた。

Photo18: 寸法は全てmm。全ての部材を切り出して木工用ボンドで貼り付けて終了である。

Photo19: HDDはこんな具合に収まる。上下逆にしているのは、某HDDベンダー(元)のあるエンジニア氏に、「放熱が心配な場合はコントローラ側を上にするほうがまだマシ」というアドバイスを以前頂いたことがあるため。あと電源やSATAの配線もこの方が楽だった。

Photo20: 側面から。一応HDDの上側には十分なスペースを空けたつもりだったのだが……

光学ドライブ(Photo22~Photo26)(PDFはこちら:04_Optical.pdf)

光学ドライブも概ねHDDと同じであるが、トレイのローディングがある関係で蝶番が必要となる。ただそれ以外はほぼ同じで、ひたすら重ねて接着するだけである。

Photo21: 寸法は全てmm。図ではただの枠が5枚、その下のドライブ型に切り抜いたものが12枚としているが、枠を7~8枚、ドライブ型は9~10枚でもよかったかもしれない。

Photo22: フロントパネルを閉めた状態。

Photo23: 蝶番は中央一箇所止めだとドライブのEjectをかけたときにうまく開かなかったので、左右二箇所にしている。ちなみに開けるのはEjectをかけるとドライブのトレイが中から蓋を押して開くのだが、閉める方はなしで開きっぱなしである。これはちょっとうまい細工が思いつかなかった。今後の課題である。ちなみに留めるのは今回もマグネットシート方式。

Photo24: 蝶番部アップ。Photo13に比べるとかなり綺麗に仕上がった。

Photo25: 側面から。光学ドライブはやはり高さが大分あるので、わりとぎりぎり。

Photo26: 配線用のスペースはこのくらいあれば十分。流石にHDDと違い、上下逆さに装着するわけにはいかないので、配線の着脱はちょっと面倒。

(Photo27~Photo29)(PDFはこちら:05_Top.pdf)

蓋はもう本当に単なる蓋なので、上に何か相当重いものを載せるというでの言わなければ、簡単な構造で十分である。

Photo27: 寸法は全てmm。一番簡単な部材。

Photo28: 上から。最初は普通に1枚板を使って無地にしようかと思ったのだが、ちょっと味気ないので最終的には大きめのダンボールの横を適当に切り取ってこんな感じに。ただ当然ダンボールの元々の折り目が入ってしまうので、そのあたりが難点。

Photo29: 裏はこんな感じ。軽いので4枚重ねにしなくても十分。