米Strategy Analyticsが11月21日に公開したレポートによれば、中国が2011年第3四半期、米国を抜いてスマートフォンで世界最大の市場になった。中国のスマートフォン市場は台数ベースで直前の第2四半期との比較で58%成長し、2400万台。それまで世界最大の市場であった米国は同四半期に2300万台で、両者が初めて逆転した。

同レポートについて報じた米Wall Street Journalによれば、米国は直前の第2四半期比で台数が7%減少となっており、結果として急成長する中国に抜かされる形となった。Strategy Analyticsによれば、中国市場で台数が急激に伸びた背景には、例えばAppleのiPhoneのような高級端末をキャリアが販売推奨金込みで大量に捌いたこと、そして低価格のAndroid端末が急増したことが挙げられるという。一方で第3四半期時点のシェアが29%と、中国におけるスマートフォン市場は依然としてNokiaとそのSymbina端末がリードしており、急追するAppleやSamsung Electronicsを振り切って首位を守ったようだ。Nokiaの同四半期の世界のスマートフォン市場のシェアは14%であり、前年同期の33%から大きく減少している。その意味で、同社の中国市場におけるシェアは命綱の1つになっているといえるかもしれない。

だがStrategy Analyticsでは、Samsungが中国市場でのシェアをすでに18%確保していること、そしてもしCDMA系ネットワークを擁するChina Telecomが来年初頭にもiPhone 4Sの販売を開始した場合、AppleのiPhone販売に一気に加速がつくとの予測を行っている。現在、中国では業界第2位のChina UnicomがGSM系キャリアとしてiPhoneの販売を行っており、間もなく第3位のChina Telecomが扱いを開始するとの観測が広がっている。そしてもし、TD-SCDMAならびにTD-LTEをバックボーンに、6億人のユーザーをカバーする世界最大の携帯キャリアのChina MobileがiPhoneの取り扱いを開始した場合、この勢いにさらに弾みがつくことだろう。

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