IDC Japanは9月5日、主要ITベンダー11社について、国内IT市場の2010年下半期製品ポートフォリオとビジネス戦略の分析結果を発表した。

これによると、主要ITベンダー11社の2010年下半期売上額合計は3兆7,937億円で、前年同期比成長率(2009年下半期に対し)は1.4%と、2010年上半期前年同期比成長率のマイナス0.7%からプラス成長に転じ、世界経済危機の影響を受けた2009年からは回復傾向が見られるという。

今回、調査の対象となったベンダーは、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)、NEC、富士通、日立製作所、日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)、東芝(東芝ソリューション含む)、デル、マイクロソフト、日本ユニシス、SAP、NTTデータの11社。

同調査は、これら11社について、IT製品を17種類に分類し、2008年上半期から2010年下半期の国内売上額を半期ごとにまとめたもの。

富士通、NEC、日本IBM、日立、日本HPの2010年下半期IT製品売上額合計2兆8,081億円、前年同期比0.8%とプラス成長となった。2010年下半期の前年同期比成長率は、富士通1.2%、NECマイナス0.2%、日本IBM0.9%、日立マイナス0.8%、日本HP4.9%という結果。またデルやSAPといった専業ベンダーは依然マイナス幅が大きく(2010年下半期前年同期比成長率、デルがマイナス3.4%、SAPがマイナス5.1%)、回復には時間を要するとしている。

国内IT市場 主要ITベンダー5社 売上額構成比(2010年上半期) 資料:IDC Japan

ITスペンディング シニアマーケットアナリストの福田馨氏は、「ITベンダーは、自社が目指す方向性とユーザー企業が認知する価値とのギャップの有無を診断すべき。ギャップがあれば、その存在する理由を解明し、製品強化あるいは認知向上活動などビジネス対策を検討すべき」と指摘している。