上司との付き合いで悩んだことがないという人はいないだろう。上司はあなたを管理・評価する立場にあるのだから、気になったとしても当然のことだ。

上司を変えることはできなくても、自分でちょっと努力するだけで上司との関係を改善できる方法がないわけではない。CarrerBuilder.comの「上司の前で緊張する? ――パニックにさよならし、輝きを得るコツ(原題:"I get nervous around my boss":Tips to stop panicking and start shining)」では、上司とうまく付き合う7つのコツが紹介されている。

これらはすべての上司に対して使える万全の解決策とはいかなくても、気持ちが楽になるかもしれない。上司との関係で悩んでいる人は参考になることが多そうだ。以下、紹介しよう。

(1)大切なコミュニケーションは自分からとる

最初のコツは、「重要なことは上司から言われる前に自分から切り出すこと」だ。その際、ただ漠然と尋ねるのではなく、具体的に、「どこにフォーカスしてエネルギーを注ぐべきか」、上司が求めているものが明確になるまで聞くとよいという。

(2)上司との対面は繰り返しリハーサルする

上司と話すと舞い上がってしまうような状況にどう応じるか――この時大切なのは、自分の対応をあらかじめ決めておき、それが自然な振る舞いとなるよう練習する、つまりリハーサルだ。シチュエーションを想定し、その中での自分の振る舞いを習慣になるまで繰り返し下稽古しておくというわけだ。

「準備、下調べ、知識はいわば"必要条件"であり、リハーサルはこれらをさらに先に進めたもの」と組織改善を専門とするコンサル企業Group HarmonicsでCEOを務めるEd Muzio氏はいう。「あらゆる状況を想定して事前練習することはできないが、リハーサルすることが不安の最初の波を克服する支えになれば、物事がスムーズに進められるだろう」(Muzio氏)

(3)上司の悪口はご法度

ランチの場やアフター5で同僚と上司の愚痴を言うこともあるだろう。飲み会での愚痴はストレス発散など短期的な効果はあるかもしれないが、不満ばかり言う人というレッテルを張られてしまうと長期的にはメリットなしだ。さらには、仕事場以外で口にした悪口が上司の耳に入ったらどうしようと心配することは、上司の前で緊張してしまう材料を増やすことになる。

(4)上司をよく知る

知らない人の前で緊張するのは当然のこと。逆に言えば、よく知っている人なら緊張しないはずだ。相手を良く知ることで、気持ちは大分ラクになる。上司とお茶やランチをしたり、飲みにいったりして、どんな人かわかれば、緊張も解けるはずだ。勇気を出して、上司を誘ってみよう。

(5)上司を指導者(メンター)として活用する

ほとんどの上司があなたよりも業界の経験が長く、役に立つ情報や人をたくさん知っているはず。これを活用しない手はない。いっそのこと、上司をメンターのように慕って、キャリアについて話し合ってみてはどうだろう? 誰だって指示を仰がれたり、頼られたりすると悪い気はしない。うまくいけば、成功する近道をこっそり伝授してくれるかもしれない。

このアプローチのもう1つのメリットは、学習意欲のある熱心な姿勢を持つことで上司との関係も安定することだ。上司があなたの仕事を批判した場合、何が悪かったのか具体的な指摘や助言を得ることができる。失敗してもすぐに自分の立場を弁護したり言い訳せず、どのような解決策があるのかを提示するなどして、案を求めればよい。プラスアルファの情報を求めることは、自分がやっていることや問題解決能力に自信があることを示すことになるというわけだ。

(6)上司だって人それぞれ

前の上司との関係が悪かったとしても、それは今の上司とは関係がないことだ。前の上司とは問題続きだったからといって、それをトラウマにするのはもったいない。前の経験を引きずらないよう先入観を捨てて、「新しい上司がどんなタイプなのか」、「新しい上司はやると決めたことをやるのかどうか」を見極める時間をとるべきだという。

もし今の上司が想定どおりの行動をする人で、倫理観のある人であれば、上司を信用できるようになり、緊張もほぐれるはずだ。

(7)良い仕事をする

最後のアドバイスは、単純で当たり前すぎるかもしれないが、「会社にとって良い社員となること」だ。自信が持てるようになるには、良い経験を積むしかない。良い経験を得るには、一生懸命働き、準備をする以外にない。与えられた任務や仕事を精一杯こなせば、上司とのやりとりで気まずい思いをしたり、緊張する理由はないはずだ。もちろん、恐れたり怖がる必要もないだろう。シンプルだが、これが基本であり、上記の6つの助言もこれなしには効果がないと言えそうだ。

以上が上司とうまくいくための7つのコツだが、いかがだろうか? 上司との関係に悩んでいないという人でも、ビジネスマンとして知っておいて損はない助言ばかりではないように思うのだが。