オリンパス、ミラーレス一眼PENシリーズフラッグシップ「OLYMPUS PEN E-P3」

オリンパスは、マイクロフォーサーズ規格のPENシリーズの最上位モデルとして「OLYMPUS PEN E-P3(以下、E-P3)」を7月22日より発売する。デザインを一新したレンズ群も同時に発売され、「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6II R」が付属したレンズキットと、「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」も付属したツインレンズキットが用意される。オープン価格で、推定市場価格はレンズキットが約10万円前後、ツインレンズキットが約12万円前後。また、ボディ単体は受注生産での発売になり、9万円前後。ボディカラーは、シルバー、ホワイト、ブラックの3色が用意される。

世界最高AFを実現した「OLYMPUS PEN E-P3」

E-P3は、有効1230万画素の新ハイスピードLive MOSセンサーと、新画像処理エンジン「TruePic VI」を採用。AF時のLiveMOSセンサーの駆動を、従来の倍速(120fps)で駆動するFAST AFシステムを採用し、AFに必要な映像信号を判断するAF演算処理を高速化。AFの高速化と静音化を可能にする、MSC(Movie&Still Compatible)機構搭載レンズを組み合わせることで、位相差AFを超える世界最速のAFスピードを実現したという。

フォーカス選択エリアは、従来の11点から35点に増強され、個々のターゲットサイズがひとまわり小さくなった。それにより、細かくピンポイントのAFが広範囲で使えるようになった。レリーズボタンを押さなくても、つねにフォーカスし続けるフルタイムAF機構を搭載し、カメラを被写体に向けるだけで、レリーズ半押しで起動するS-AFをより早く行なえる。輝度信号、色情報、顔検出情報を使い分けた新追尾アルゴリズムを開発し、追尾AFの性能も向上した。また、オン/オフが可能なAF補助光をPENシリーズで初めて搭載した。瞳検出機能も進化し、「OFF」「近距離の目優先」「左目優先」「右目優先」の切り替えが可能になった。

また、フラッグシップ機「E-5」で採用した「ファインディテール処理」を継承し、エメラルドグリーンや黄色など今まで色再現が難しかった色の再現性や階調性を向上した「リアルカラーテクノロジー」技術を搭載した。

新たに、1080iのフルHD動画撮影機能が搭載され、ハイビジョンテレビやブルーレイレコーダなどのAV機器で再生可能なAVCHDフォーマットに対応した。ライブビュー撮影専用の画像処理コアを搭載することで、記録画像の処理中にもライブビュー画像の出力が可能になった。動画撮影用のステレオマイクも搭載する。

背面モニターには、タッチパネル機能搭載の61万画素3型有機ELディスプレイを採用。特殊な画像配列を採用することで、VGA(約92万ドット)相当の表示能力を持つ。外観デザインは、E-P1のデザインを継承しつつフラッシュやアクセサリーポートを追加した。

グリップ部は、カスタマイズが可能な脱着式が採用され、本体に装着される標準タイプ「MCG-1」(3,500円)に加え、大型でホールド性の高い「MCG-2」(3,500円)も別売りで用意される。また、カスタマイズアイテムとして、カーボン柄やべっこう柄の「プレミアムカメラグリップ MCG-3PR」(4,800円)や、グリップに合わせてコーディネートが可能な「プレミアムレンズキャップ」(2,400円)も用意される。

背面ボタン操作部も金属で仕上げたフルメタルボディで、堅牢性と軽量化を両立したという。また、ガイドナンバー10(ISO200)の内蔵フラッシュを搭載し、外部フラッシュ「FL-50R」「FL-36R」「FL-300R」の併用で、ワイヤレスフラッシュコントロールを制御できる。記録メディアは、SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-I対応)で、Eye-Fiカードにも対応する(エンドレスモードには非対応)。ボディサイズは122(W)×69.1(H)×34.3(D)mm、重量は約369g(バッテリー、SDメモリーカード含む)/約321g(本体のみ)。

ユーザーインタフェースには、新デザインが採用された。スライドバーの操作だけで直感的に自分のイメージを反映できる「ライブガイド」は、従来iAUTOモードでしか使えなかったが、E-P3ではP/A/S/Mモードでもファンクションボタンで呼び出して使えるようになった。タッチパネル操作と組み合わせることで、より直感的に操作できるようになったという。

PENシリーズに搭載されているフィルター機能「アートフィルター」は、以前に採用された10種類のアートフィルターとバリエーション、アートエフェクトなどすべて搭載。新たに「デイドリーム」にもバリエーションが追加され、従来のデイドリームIに比べ、赤みを帯びた色合いの「デイドリームII」が用意される。また、アートフィルターに効果を付加できるアートエフェクトには、新たに光の筋を効果的に発生させる「スターライト効果」と、画面の四隅を白くぼかす「ホワイトエッジ効果」の2つを追加された。また、1回のレリーズで複数のアートフィルター画像を撮影できるアートフィルターブラケット機能を搭載した。アートフィルターブラケットは、アートフィルターだけでなく通常のピクチャーモードの選択もできる。そのほか、デジタル処理で焦点距離を2倍相当の画角にする「ワンプッシュデジタルテレコン機能」や、アートフィルターにも対応した「3Dフォト機能」を搭載する。

オプションとして本革ボディケースや本革ボディジャケットのほか、本革ショルダーストラップ、防水プロテクターなども用意される。