シャープは6月8日、家庭における電力負荷ゼロを目指す"節電を極める家"「シャープ・エコハウス」を同社のグリーンフロント堺に完成させたことを発表した。2011年5月よりすでに、同エコハウスにて同社研究員による、電力消費の最小化と、住空間の快適性の両立を目指した技術の実証実験を進めているという。

シャープが同社のグリーンフロント堺の敷地内に建設した「シャープ・エコハウス」の南側

同エコハウスには、同社の最新型となる省エネ家電を導入。各家電をネットワーク接続によるHEMS(Home Energy Management System)として、同社の液晶テレビ「AQUOS」やタブレット端末などで、各家電の消費電力などを確認する、いわゆる「電力の見える化」が可能となっている。

また、LED照明による節電性能に加え、LEDによる光の調光・調色を利用した家屋内の快適性についての検証も行う予定。

さらに、太陽電池や蓄電池の電力と家電機器の消費電力を、HEMSを用いて最適に制御する技術検証も行う予定だ。

建屋の概要は、木造建築2階建てで1階が174.05m2、2階が97.19m2の延べ床面積271.24m2となっており、屋根には9kWの多結晶型太陽電池モジュールによる太陽光発電システムを搭載しているほか、センサ連動のLED照明やHEMS制御の省エネ家電、8kWのリチウムイオン蓄電池などが導入される。

加えて、将来に向けた取り組みとして、太陽電池で発電したエネルギーを交流(AC)に変換せずに、ダイレクトに直流(DC)のまま家庭内で利用する「直流給電」やDC家電などの検証や、電気自動車(EV)と連係するインテリジェントパワーコンディショナを活用して、EVバッテリを家庭用蓄電池として利用する試みなども実施される計画となっている。