累計出荷300万台のプラズマクラスターイオン発生機、新製品はデザイン刷新

シャープはこのほど、2008年10月に第1号機を発売したプラズマクラスターイオン発生機が5月中にも、累計出荷が300万台に達することを明らかにした。5月19日には、レイアウトフリーの新たなデザインを採用したプラズマクラスターイオン発生機の新製品「IG-DX100」を追加で投入し、さらに販売に弾みをつける考えだ。

プラズマクラスターイオンは同社の独自技術として2000年に開発されたもので、同年10月、第1号製品として同社空気清浄機に搭載された。空気中にプラスとマイナスのイオンを放出し、カビ、菌、ダニなどのアレル物質、ウイルス、臭いを分解することが可能になるという特徴を持つ。

2000年に石川県予防医学協会によって浮遊カビ菌への抑制効果があることが確認され、その後、浮遊　ダニのアレル物質や浮遊細菌、付着ウイルスや付着臭、付着菌の抑制効果があることが、第三者機関により検証され、最近では肌保湿効果やウイルス感染率低減といった効果が実証されている。2011年5月16日には、総合医科学研究所が浮遊アレル物質を大幅に分解・除去する効果があることを、ヒトにおいて実証した。

「2000年から2003年にかけては、実験室レベルでの効果の実証だったが、その後、効果メカニズムの解明を進める一方で、模擬的実空間での効果検証を行い、現在では、実際のヒトにおける効果の実証への進めている」(シャープ)という。

こうした効果の実証に伴い、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの製品群にもプラズマクラスターイオンユニットを搭載。さらには自動車や集合住宅、山形新幹線などにも搭載されるようになっており、2010年12月には、プラズマクラスターイオン搭載製品の累計出荷が3,000万台に達したという。

そして、プラズマクラスターイオンの効果をより実感してもらうため、イオン発生濃度を10倍とした1立法センチメートル当たり2万5,000個を発生するユニットを搭載したイオン発生専用機が「プラズマクラスターイオン発生機」だ。2008年10月に、第1号機として、6畳用の「IG-A100」を発売。その後、クローゼットやトレイ、シューズボックスなどでも利用できる1畳用、自動車の車内用、リビングや応接室などの12畳用、モバイル用途などをラインアップし、企業向け製品を含めて、発生機だけで現在14ライン34機種の品揃えになっている。

今回、発売されたプラズマクラスターイオン発生機「IG-DX100」は、6畳用としてデザインを一新。目的に合わせて置き場所・置き方が選べるようにした「レイアウトフリー」な点が特徴だ。

「従来の6畳用は設置場所に制限があり、床に置いてしまうことになりがちだった。新たなデザインの採用により、棚の上などの小さなスペースにも向きを気にすることなく設置することが可能になった。また、床付近に集中的に高濃度イオンを届けること、壁面にピッタリつけて衣類や洗濯物に高濃度イオンを集中的に放出することも可能になる。寝室、子ども部屋、玄関といった足元に置き場所が少ない場合に、棚の上や隙間にも手軽に設置したいという要望にこたえたもの」(健康・環境システム事業本部プラズマクラスター機器事業部商品企画部 部長 冨田昌志氏)という。

今回の製品は、第7世代の改良版となるプラズマクラスターイオン発生ユニットを搭載。サイズで4分の1、質量で3分の1という大幅な小型化を図ったことで、レイアウトフリー型の筐体を実現できた。

設置できる方向は、「タテ置き上方向吹きだし」、「タテ置き前方向吹きだし」、「ヒラ置き前方向吹きだし」、「ヨコ置き上方向吹きだし」の4つ。さらにイオンの放出方向を変えられる「前後・左右自在ルーバー」を新たに搭載したことで、空気浄化が求められる床面やベッド周りなどのエリアへの集中放出が可能になった。

また、イオン風量「標準」モード時の約1.5倍の高濃度なイオンを放出する「フルパワーモード」を搭載することで、短時間に空気浄化および除菌、脱臭ができる。24時間あたりの電気代は約3.2円(標準モード時)となっており、従来製品に比べて約33%低減しているほか、停電やブレーカーが落ちた際も、運転自動復帰モードにより電源復帰時に使用していたモードで自動的に動作する。

製品のカラーはホワイト、ピンク、ブラックの3種類で、出荷は6月25日に開始される予定。価格はオープンプライスだが、市場想定価格は約3万円で、月産2万台を予定している。なお、従来からの6畳タイプのIG-C100も当面併売される。