さっそく試してみると確かに、いわゆるPC用の"サウンドカード"とは明らかにレベルの違う音が飛び出してくる。そう、高級オーディオのサウンドなのだ。CDを再生してみると、ノイズレベルが極めて少なく、非常にハイファイな音。低域から高域まで広いレンジでフラットに出ているように感じられる。

しかも面白いのは、音に柔らか味を感じる点だ。DTM系のオーディオインタフェースを使うと確かに解像度は高いけれど、どうしても音が硬く感じられることが多いのに対し、"オーディオ"という音を演出してくれるのがSE-300PCIEの特徴といってもいいだろう。やはりオンキヨーというオーディオメーカーならではの音作りという感じである。

SE-300PCIEは最高で24bit/192kHzにまで対応しているので、最近話題のHDサウンド、つまり24bit/96kHzや24bit/192kHzのサウンドを楽しむこともできる。例えば、オンキヨーエンターテイメントテクノロジーが運営する音楽ダウンロードサイト、「e-onkyo music」で配信されているHDサウンド素材などを再生させるには、SE-300PCIEは最適というわけだ。

24bit/96kHzのHDサウンドによる配信が行われている「e-onkyo music」

もちろん、こうした高品位な音の雰囲気を味わうためには、それなりのアンプとスピーカーを用意する必要がある。またできれば、ファンレスのPCなど、PCそのものから出るノイズが少ない環境で使いたいところだ。それらを実現しようとすると、かなりの出費になってしまいそうに思うが、SE-300PCIEには他のサウンドカードにはあまりない強力なソリューションが用意されている。

それはヘッドフォン専用の端子だ。オーディオメーカーとしてヘッドフォン用に作りこんだ高性能なアナログ回路が、威力を発揮してくれる。前述のRCAステレオライン出力の隣にはミニジャックが用意されているので、ここにヘッドフォンを接続すればよい。

左側にある白と赤のRCA端子の右隣にある黒い端子がヘッドフォン出力専用の端子

よく聞く話として、サウンドカードの出力にヘッドフォンをつなぐと、PCの操作をするたびに「ジージー」とノイズが載るケースがあるが、当然そんなものはなく、非常に高音質なサウンドが楽しめる。ソフトウェア側の設定で、ヘッドフォンジャックにヘッドフォンを接続すると、RCAからのライン出力を止めるといった機能も付いているから、便利に使えそうだ。