ヴイエムウェアは3月9日、仮想化環境の状態を可視化する管理ソリューション「VMware vCenter Operations」を発表した。VMware vCenter Serverや他社製管理ツールから取得した情報をリアルタイムに分析し、さまざまな粒度でシステムの健全性を表示することができる。

VMware vCenter Operationsは、昨年8月に買収を発表した米Integrienの技術をベースに開発されている。システム内の数百万ものデータポイントから情報を収集し、パフォーマンスやキャパシティなどの観点からシステムの状態を分析。その結果をビジュアルな画面で表示する。分析は、特許を取得した独自アルゴリズムが用いられ、通常運用時のデータと比較するかたちで行われる。

分析結果は、システム全体、仮想データセンター単位、クラスター単位、ESX Server単位、VM単位など、さまざまな粒度で表示することが可能。健全なら緑色、アラートがあれば黄色、問題があれば赤色と、状態が一目でわかるようになっているうえ、各データから簡単な操作で詳細情報へとドリルダウンすることもできるため、問題が見つかった際には原因を短時間で突き止めることができるという。

VMware vCenter Operationsの画面。さまざまな粒度でシステムの状態が表示されている。

ドリルダウンしていくだけで原因を突き止められる

分析画面から、その場で構成を変更することも可能。構成変更をロールバックすることもできるという

ヴイエムウェア ストラテジック アライアンス部長の名倉丈雄氏は、米国でのβ版の事例として、「導入前は1時間に400アラート発生していたような環境が、1ヶ月で20アラートにまで減った」というエピソードを紹介。「運用に必要なエンジニアの数も12人必要だったのが、2人で足りるようになった」と、運用/保守コストの削減に大きな効果があったことを説明した。

VMware vCenter Operationsは、「Standard」、「Advanced」、「Enterprise」の3エディションが用意される。これらのうち、StandardとAdvancedは今月中の出荷が予定されており、いずれも1VMあたり6500円。Enterpriseに関しては、グローバライゼーションを進めている最中で、日本市場には2011年中のリリース予定となっている。

VMware vCenter Operationsの3つのエディションの内容