新日鉄ソリューションズは2月14日、クラウド上で動作するシステムの再利用性を向上させたIaaSクラウドシステム「Hypercell」を開発したことを発表した。

システム再利用時の作業比較

同システムはOSS(オープンソースソフトウェア)のハイパーバイザ(仮想化OS)を利用したクラウドシステムで、システム全体のスナップショット取得/エクスポート/インポートを可能としたIaaSクラウドシステム。

複数のVM(仮想マシン)に加え、ネットワーク、ストレージを含めたシステム全体のスナップショットをとることができ、スナップショットに何ら修正を加えることなく新しいシステムとして動作させることが可能だ。

また、スナップショットを単一のファイルとしてエクスポート/インポートすることができ、別のHypercellクラウドシステムへ移動させ、動作させることも可能。

従来のIaaSシステムでは、1つの環境を作り上げるためにVM、ネットワーク、ストレージを各々設定する必要があり、これらの手間は、環境の複製を作る際にクラウド上に作られたシステム再利用の足枷となっている。同システムでは、システム全体を1つの仮想アプライアンスとして捕え、一体として取り扱うことで、環境を複製する際の設定が不要になり、クラウド上のシステムの再利用性を向上させることが可能となった。

なお、同社では、SLA(Service Level Agreement)に応じたパブリッククラウドの使い分けの必要性や、オンプレミス(社内設置システム)とクラウドのシームレスなシステム利用に対する要望を受け、クラウドサービス間のシステムポータビリティに対するニーズは、今後、より大きくなっていくものとの見方を示しており、今後も、独自のクラウドサービスを開発・提供する技術力を持ったSIerとして、クラウドサービスの可能性を拡げる取り組みを進めていくとしている。