デル 執行役員兼システムズ・ソリューションズ統括本部長、米Dell. コーポレートディレクター 町田栄作氏

デルは12月16日、データセンター統合管理製品「Virtual Integrated System」のコンポーネント・ソフトの1つである「Dell Advanced Infrastructure Manager」に同社のハードウェア、導入サービス、サポートを組み合わせたパッケージ「AIM ビジネス・レディ・ソリューション・パッケージ」を販売開始した。

同パッケージにはDell Advanced Infrastructure Manager V3のほか、プロダクション・サーバ「 Dell PowerEdge M610」4台、AIMのコントローラ・サーバ「Dell PowerEdge M610」1台、Ethernetスイッチ「Dell PowerConnect 8024F」2台、ストレージ「Dell EqualLogic PS6010E」1台、ブレード・シャーシ「Dell PowerEdge M1000e」1台が含まれる。 価格は990万円から(税別、送料込み)。

デル 執行役員兼システムズ・ソリューションズ統括本部長、米Dell. コーポレートディレクターの町田栄作氏は、「データセンターは"インテリジェント・インフラストラクチャ"、"シンプルなインフラ管理"、"円滑なワークロード管理"、"インテリジェント・データ管理"の4つの要素が必要とされる。インテリジェント・インフラストラクチャとインテリジェント・データ管理を実現するハードウェアはすでに発表されている。Virtual Integrated Systemは、シンプルなインフラ管理と円滑なワークロード管理を実現する」と説明した。

Virtual Integrated Systemは「Advanced Infrastructure Manager」のほか、サービス管理自動化製品「VIS Self-Service Creator」、インテリジェントサービス管理製品「VIS Director」から構成される。

Virtual Integrated Systemがデータセンターにもたらすメリット

システムズ・ソリューションズ統括本部 アドバンスド・ソリューション開発本部 ビジネス開発マネージャーの馬場健太郎氏

システムズ・ソリューションズ統括本部 アドバンスド・ソリューション開発本部 ビジネス開発マネージャーの馬場健太郎氏からは、Advanced Infrastructure Managerの詳細な説明がなされた。

同製品の主要機能は「インフラストラクチャのプロビジョニング」と「リソースの階層化とプール化」。物理リソースと仮想リソースの一元管理によって、迅速な異種ハードウェアのプロビジョニングを実現する。

同氏は同製品の最大の特徴として「マルチプラットフォームであること」を挙げた。同製品では同社の製品だけでなく、他社のサーバ、ストレージ、ネットワーク機器の一元管理が行える。町田氏は「ハードウェアベンダーにしては思い切った決断」と述べた。

馬場氏はそのほかの特徴として、「OSの再配置」、「高可用性」、「物理マシンと仮想マシン間におけるリソースの再配置が可能な点」、「ディザスタ・リカバリ」を挙げた。

「Advanced Infrastructure Managerで管理している環境では、OSの再配置に伴い、ケーブリング、ネットワーク/ストレージのアドレス再設定が不要。異なるストレージからOSを起動することもできる。また、冗長化は通常クラスタリングソフトウェアが必要だが、Advanced Infrastructure Managerでは不要だ。さらに、冗長化は従来、OSやアプリケーションごとに行う必要があったが、Advanced Infrastructure Managerでは物理サーバ、仮想サーバにかかわらず行える」

Advanced Infrastructure Managerの操作画面

また、同氏はAdvanced Infrastructure Managerの効果的な導入パターンとして、LinuxのHA環境を紹介した。通常のサーバを用いたシステムでは、本稼働のサーバと同数のスタンバイサーバが必要だが、Advanced Infrastructure Managerを用いれば本稼働のサーバに1を加えた台数だけで済む。

これにより、サーバの台数、OSのライセンス、スペースなどが削減されて、コストを約半分にまで抑えることが可能になるという。

LinuxのHA環境にAdvanced Infrastructure Managerを導入すると従来環境と比べてコストを半減できるという

AIM ビジネス・レディ・ソリューション・パッケージの概要