文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS 協会)は、「第14回文化庁メディア芸術祭」の受賞作品発表会を開催。本記事では受賞者のコメントを紹介していく。

大賞作品は既報の通りだが、同発表会には、審査員の代表として、アート部門の審査を行ったメディアアート・キュレーターの四方幸子氏とアニメーション部門の審査を行ったアニメーション作家の古川タク氏が出席。四方氏は「現代をいかにセンシティブに切り取っているかなどに着目し、審査を行いました」と審査のポイントを紹介。また古川氏は「以前、一度審査をやらせてもらったことがあるのですが、その頃と比べると質、量ともに、とても面白い作品が多くなってきているなと感じました」と自身が前回審査を担当したときと比較し、アニメーション部門が充実してきていることを語った。

左からアニメ『四畳半神話大系』の作者の湯浅氏、『IS Parade』の作者である千房けん輔氏、林智彦氏、小山智彦氏

また、各部門で大賞を受賞したクリエイターのコメントも紹介された。アート部門大賞者であるMichel DECOSTERD氏、Andre DECOSTERD氏はビデオレターにて「このような素晴らしい賞をいただけたことを感謝しています。数年前から目指していたこのフェスティバルに参加することができ、嬉しく思います。ほかのアーティストたちと知り合い、様々な作品を見られることを期待しています」と語った。

エンターテインメント部門大賞者の林智彦氏、千房けん輔氏、小山智彦氏は「twitterをやっていて、みんな自分のことが凄く好きなんだなと感じました。そこで、『IS Parade』では自分の祭りのようなものを作れるようにと考えました。また、作り手のクリエイションを極力抑え、見た目もシンプルなものにしました」と製作時に注意した点を語った。

アニメーション部門大賞者である湯浅政明氏は「(大賞を)取ってもおかしくない内容だなとは思っていましたが、テレビ番組はなかなか大賞を取りづらいと考えていたので、大変嬉しく思っています」とコメント。

マンガ部門大賞者の岩明均氏はFAXにて「知らせをいただき、大変嬉しく思っています。『ヒストリエ』は一般の方にあまりなじみのない題材なので、やるだけやってそっぽ向かれたらもうしょうがないなと思いつつ続けてきた部分があり、開始から7年、ご支持をいただけた事は大きな喜びです」と受賞の喜びを語った。

文化庁メディア芸術祭受賞作品より(一部抜粋)

アート部門大賞

10番目の感傷(点・線・面)
クワクボリョウタ
(C)クワクボリョウタ

The EyeWriter
Zach LIEBERMAN / Evan ROTH / James POWDERLY / Theo WATSON / Chris SUGRUE/ Tony TEMPT1
(C)Tempt1, Evan Roth, Chris Sugrue, Zach Lieberman, Theo Watson and James Powderly

エンターテインメント部門大賞

無限回廊 光と影の箱
鈴田健 / 藤木淳 / 鈴木達也
(C)2010 Sony Computer Entertainment Inc

アルクアラウンド / サカナクション
関和亮
ビクターエンタテインメント株式会社 / 株式会社ヒップランドミュージック

アニメーション部門大賞

フミコの告白
石田祐康
(C)石田祐康

マイマイ新子と千年の魔法
片渕須直
(C)2009 髙樹のぶ子・マガジンハウス /「マイマイ新子」製作委員会

マンガ部門大賞

孤高の人
坂本眞一/原案・新田次郎著『孤高の人』
(C)坂本 眞一/原案・新田次郎著『孤高の人』/集英社

ぼくらの
鬼頭莫宏
(C)鬼頭 莫宏/小学館IKKI