短文スタイルで日々の記録を残していける「Momento」

Twitterはコミュニケーションツールであると同時に、ユーザーの行動や考えたことを記録するライフログツールでもある。しかし、誰にもフォローされない非公開アカウントならともかく、知人が見ているかもしれないTwitterではつぶやけない内容というのもある。Twitterをライフログとして使うにあたってのそんな弱点をうまく補完できるのが日記アプリ「Momento (Diary/Journal)」だ。

「Momento」は、比較的シンプルなデザインの日記アプリだ。日記といっても、一日の終わりにまとまった長文を書くようなスタイルではなく、なにか記録しておきたいと思ったときにそのつど短いメモを残しておくようなスタイル。Twitterで「赤坂飯店の担々麺なう」とつぶやくのと同じような感覚で、買い物や食事の内容、日々の行動、出会った人などを記録していけばいい。

Twitterのようなスタイルで短い記録を残していくのが「Momento」の使い方。入力した内容は1日単位でまとめられ、ログとして参照できる

ひとつひとつのログにはタグ設定やレーティングが可能。たとえば、「昼食」とタグを付けて食事の内容を記録しておけば、あとから「昼食」タグを参照して日々の食事を振り返ることができる。タグ自体も「People」「Places」「Events」「Custam Tags」の4カテゴリで設定でき、異なるアイコンで表示されるので、わかりやすい。

入力時に中央でカテゴリを指定してタグを設定すれば、あとからそのタグを元に一覧を表示できる

TwitterをはじめとするSNSサービスとの連携が可能

このソフトがなぜTwitterの補完として便利なのか。実はこのソフト、Twitterのツイートを自動的に取得し、「Momento」で入力したさまざまな記録と合わせて表示することができるのだ。つまり、他人に知られてかまわないことはTwitterにつぶやき、公にしたくないことは「Momento」で記録しておけば、後から「Momento」のログとしてすべての行動を振り返ることができるというわけ。Twitterでつぶやいた内容を自動的に投稿できるブログなどを利用すれば、同様に公開のツイートと非公開の記録を一元的に管理することもできるだろうが、iPhoneアプリ上ですべてが完結する手軽さは大きなメリットになる。

ちなみに「Momento」が連携できるのはTwitterだけではなく、Facebook、Flickr、Last.fm、Foursquare、YouTubeといったサービスとも連携可能。RSS/Atomのフィードも取り込める。

「T」のアイコンとともに表示されているのがTwitterから取り込んだツイートだ

連携可能なサービスはTwitterだけでなく、FacebookやFlickrなど多岐にわたる

ツイートの取り込みは、リプライやリツイートを含めるかどうかなどの設定が可能だ

記録した内容はテキストデータとしてエクスポートすることができ、iTunesファイル共有経由でパソコンに取り込んで利用することが可能。このエクスポートデータにはTwitterをはじめとする連携サービスのフィードも含まれる。

「Moment」からエクスポートしたテキストデータ。Twitterのツイートも含まれる。設定したタグ情報なども残っているので、整形して活用できる

たんに楽しみとして記録を残したいという方にお勧めしたいのはもちろん、家計や健康状態を管理する必要がある方にもぜひ使っていただきたい。支出や体重などの管理は、とかく記録を付けるのが面倒になって長続きしないものだが、いつでもどこでも手元のiPhoneで入力できるこのアプリならば、それほどストレスなく記録を続けていけるだろう。そして記録がある程度たまっていけば、こんどは記録を付けること自体が楽しくなってくるはずだ。

対応デバイスは、iPhone、iPod touchおよびiPad互換、iOS3.1以降が必要。ジャンルはライフスタイル、アプリサイズは10.2MB。対応言語は英語、本稿執筆時点でのバージョンは2.0.1。