ダイソンは、自社製品の売りとして次の5つを公式サイトで挙げている。

「変わらない吸引力」
「維持費が不要」
「きれいな排気」
「長期使用が可能」
「2年/5年のメーカー保証」

今回はこの中から「長期使用が可能」というところに目を向けてみよう。長期使用が可能ということはつまり、それだけ耐久性に自信があるということだが、さてダイソンは自社製品に対してどんな耐久検査を行っているのか。

その答えが「開発と検証」ページにあった。

そこでは「製品の信頼性チェック」として、次のように述べられている。

静電気の発生を抑えるカーボンファイバーブラシを新たに搭載した新モデル「カーボンファイバーDC26 モーターヘッドコンプリート

「全ての掃除機は、最終的にダイソン製品としての耐久性能があるかを見定めるために、一連の耐久検査を受けます。ダイソン製品は、ウィルトシャーにある私たちの検査所で、押され、引っぱられ、落とされ、凍らされ、焼かれ、揺らされたりします。実際の使用以上に、過酷な状況下でも耐えられるかを確認するため、5つの難関が設けられており、毎月28,000時間の稼働を想定し検査されます」

……何とも凄まじい検査項目の数々だ。「押され」「引っぱられ」「落とされ」「揺らされ」あたりはまだわかるのだが、そのあとがすごい。「凍らされ」に、「焼かれ」である。

何をどうやったら掃除機を凍らせたり焼いたりするようなことになるのかはまったくわからないが、つまりダイソンはそれくらい、通常では思いつかないような不測の事態を想定して製品チェックをしているということなのだろう。いやはや、何とも激しいテストである。

さらに付け加えるなら、「焼く」のインパクトに押されがちだが、「28,000時間の稼働を想定」というのも地味に凄まじい。たとえば一日30分掃除機をかけるとして、5,6000日――およそ153年間使えるというのだから。

もちろん実際に153年の間、一つの掃除機を使い続け、たまに凍らせたり焼いてみたりする人はいないだろう。しかし、現実にはどうあれそこまで想定して検査を行っているということ、その誠実さこそが、ダイソン製品のブランド力を支える最大の要因なのだ。