フェムトセルの基地局は、現在ソフトバンク向けに配布されているもの。同様にNTTドコモやKDDIも、NEC以外のフェムトセルの提供を始めているが、積極的に無料配布しているソフトバンクとは異なり、まだスタートしたばかりのため「数はそれほど出ていない」(説明員)。そのため、国内でのフェムトセルのシェアは同社がかなり高いという。
NECでは、通常のフェムトセルに加えてルーター機能を内蔵したものも提供。さらにより出力を上げ、同時接続数も増やした法人向けフェムトセルも今後リリースする予定だ。世界でもフェムトセルメーカーは限られているが、注目も集まっており、今後その中で世界シェアを獲得していきたい考えだ。
フェムトセルは固定回線に接続して携帯電波を発射して、通信は固定回線を使うための製品であり、固定回線が必要になってくる。東南アジアやアフリカのように、固定網の普及が遅れている地域もあるが、「例えばインドネシアなどは人口が多いので、一部しか固定回線が持っていなくてボリュームがある」(同)ということで、今回アジアでのイベントに出展して存在をアピールしたい考えだ。
国内でも存在感を見せ始めたZTE
国内でも端末が増え始めた中国ZTEは、今回AndroidベースのスマートフォンやLTEの基地局などのソリューションを展示。LTEでは、大容量、高速、低遅延というLTEの特徴を生かした3D映画の配信デモやビデオ通話のデモを実演していた。
さらにAndroidを搭載したスマートフォンも出展。出展されていたのは「V880」という型番のAndroid 2.2搭載スマートフォン。3.5インチWVGAタッチパネル搭載液晶を採用しており、コストパフォーマンスに優れる端末として開発されている。
さらにタブレット端末も展示しており、7インチのタッチパネルを搭載した「Z-Pad/AD8070」「V9」の2機種を出展。いずれもAndroid 2.1を搭載し、V9はHSPA 900/1900/2100MHzをサポートして、下り最大7.2Mbps、上り最大2Mbpsをサポートする。
Z-PadはHSPA 900/1900/2100MHzに加え、CDMA方式のEV-DO 800/1900MHzにも対応。デュアルコアのチップセットを搭載しており、パフォーマンスにも配慮した。まだ開発中で、発売についてはまだ決まっていないとのことだった。ちなみに、初日の基調講演で登壇したKDDIの小野寺正会長がZTEブースを回っており、KDDIの提供するEV-DOに対応したZ-Padを見て笑顔を見せていた。