香港で11月17~18日にかけて開催されたモバイル関連イベント「Mobile Asia Congress 2010」では、主にアジアのベンダーを中心にブースも展開されていた。比較的こぢんまりとした会場だが、その中でNECとZTEのブースを紹介する。

NECは3D液晶やクラウドコミュニケーター、フェムトセル基地局を展示

展示会場の中でも大きめのブースで出展していたのは、国内勢唯一の出展となったNEC。3D液晶やクラウドコミュニケーター、フェムトセルの基地局といった展示を行っていた。

7インチの3D液晶。裸眼でもキャラクターが3Dに見える

こちらは3.5インチ

3D液晶は、最近スマートフォンにも搭載されるなど、今後拡大が期待されている裸眼で立体視ができるタイプの液晶だ。7インチ、3.5インチという2つのサイズが出展されており、まずは3.5インチを来年半ばには商品化したいとしている。

NEC液晶テクノロジーが開発する今回の3D液晶は、スマートフォンや携帯型ゲーム機に搭載されているものとは異なる方式を使っており、従来タイプの弱点を解消したというのがポイントだ。

一般的に裸眼立体視で使われる視差バリア方式は、わずかにずらして撮影した右目用と左目用の画像2枚を使い、縦縞状のバリアを使って右目には右目用、左目には左目用の画像だけが見えるようにし、視差の原理を応用して立体視を実現している。この場合、短冊形のバリアを交互に設けて左右に分割しているので、1枚の立体画像としては横方向の解像度が半分になるという弱点があった。

これに対してNECの3D液晶では、横方向の画素を2倍にして、2D画像の場合は隣り合った2つの画素に同じ画像を表示し、3D画像の場合は隣り合った画素で右目用、左目用の画像を表示する、という仕組みを用いている。

横方向の画素数が2倍あるため、3D画像を表示した場合でも実質的な解像度が保たれるのがメリットで、2Dの場合は2つの画素を1つの画素として利用するため、同じ解像度の2D画像になる。

今回の方式は、通常は横方向に1つの画素を倍にしたというのが大きなポイント。NECでは「HDDP(Horizontally Double-density Pixel)」と呼んでいる

画素単位で表示を切り替えることで、2Dと3Dの混在表示も可能

バリアを使わないため、画素の表示を切り替えれば、2Dと3Dを同時に表示することも可能だ。例えばゲームなどで、キャラクターや背景は3Dで、ステータスなどの文字表示は2Dで、といった使い分けもできるそうだ。