今回は、「Cintiq 21UX」の本体に搭載している様々な機能を試していきたい。なお、これまでのレビューは以下を参考にしてほしい。

●「Cintiq 21UX」(まずはデスクにセッティング編)はこちら
●「Cintiq 21UX」(セッティング完了編)はこちら
●「Cintiq 21UX」(ペンの描き味編)はこちら

Cintiq 21UX本体の左右にはトラックパッドやファンクションキーがあり、作業をしながらブラシサイズ変更やレイヤー切り替えなどがストレスなく行える。切り替えボタンをクリックすると、画面にトラックパッドの機能選択画面が現れる。トラックパッドは本体の背面についていて、ブラシサイズの変更もブラシの太さをみながらシームレスにサイズを変えることが可能で、直感的だ。

縦に並んでいるのがファンクションキー。真ん中の丸いボタン状のパッドがトラックパッド切り替えボタンである。このボタンをクリックすると、画面にトラックパッドの切り替えメニューが表示される。好みで左右のトラックパッドに割り当てて使用する

トラックパッドは本体の裏面、左右端にある。縦長のパッドを指でさすって使用する

ファンクションキーは「Alt」や「Ctrl」など、デフォルトでも頻繁に使うキーが割り当てられているので、私はそのまま使用しているが、カスタマイズも可能だ。設定の割り当てを見たいときは、「設定内容の表示」をクリックすると画面に表示される。

ファンクションキーの設定画面。いつでも呼び出して確認することができる

作画を進めていて、「これは便利だなぁ」と実感したのが、本体の回転である。わたし自身は本体をほぼ垂直に立てているため、コーナーがつかえて回転角度に限界があったものの、画面を回しながら絵を描けることがこんなに直感的で便利だったろうかと思うほどであった。「Painter」や「Photoshop」では画面を回転する機能が備わっているが、この機能は一般的ではないし、回転することで画面に荒れが生じ、直感的とはいいがたい。物理的にモニターが回転するのは非常に楽しいと思った。絵を描く人は、ぜひともCintiq 21UXで画面をぐるぐる回転して心ゆくまで作画を楽しんでいただきたい。

本体を回して絵を描くことができ、大変重宝した。ただし、本体の傾きによって回転には限度がある

もっと回せるようにと、Cintiq 21UX本体の傾きを水平に近づけて試してみた。ディスプレイの広さだけの奥行きが必要なので、卓上が狭い筆者の環境ではこれが限界であった

ところで、PCのスリープ後、復帰した際に、タブレットドライバの読み込みに失敗することがたびたに起こる。PCとCintiq 21UXとの相性など、いろいろな要因が考えられるが、これを回避する方法がある。タブレットが動いているときに、「スタートアップ」画面から「ワコムタブレット設定ファイルユーティリティ」を起動し、「ログインユーザーの設定ファイル」>「バックアップ」を選択し、設定ファイルを任意の場所に書き出しておく。もしもドライバ読み込みに失敗しても、「ワコムタブレット設定ファイルユーティリティ」を起動し、「ログインユーザーの設定ファイル」>「復元」を選択し、さきほど書き出した設定ファイルを読み込めばOKだ。Cintiq 21UXをセットアップしたら、設定ファイルはぜひ書き出しておこう。

Windows Vistaのスタートアップ画面

「スタートアップ」画面から「ワコムタブレット設定ファイルユーティリティ」を起動。「ログインユーザーの設定ファイル」>「バックアップ」を選択し、設定ファイルを書き出しておくと安全だ

さて、次回は、Cintiq 21UXのツインモニター設定など、様々な応用テクニックを紹介する予定だ。