Adobe Systemsは10月25日(米国時間)、米ロサンゼルスで開催中の年次イベント「Adobe MAX 2010」において、同社のエンタープライズアプリケーションプラットフォームの新バージョン「Adobe LiveCycle Enterprise Suite 2.5」を発表した。モバイル向け製品の追加やコラボレーション機能の強化などが行われている。また、業務の迅速化を支援する3種類のアクセラレータも提供される。

今回からモバイルソリューションとして「Adobe LiveCycle Mobile ES2」が加わり、LiveCycleで提供されてきたプロセス管理、データ取得、コンテンツサービスなどがモバイルデバイスにも適用される。バックエンドシステムとの連携もスムースに行うことが可能で、Android端末やiPhone、BlackBerry、Windows Mobileなどメジャーなモバイルデバイスにおけるユーザエクスペリエンスを向上させることができる。

また、ソーシャルネットワーキングや、音声や動画によるリアルタイムコラボレーションがエンタープライズにも普及しつつあることを受け、LiveCycle ES 2.5ではチャット/音声/ビデオ/画面/アプリケーションの共有といった機能を組み込んだRIA(リッチインターネットアプリケーション)の作成が容易になっている。

もうひとつの注目点が、新たに提供される3種類の「Solution Accelerator」だ。業務アプリケーション開発を短縮化するコンポーネント/テンプレートを含むフレームワークで、LiveCycle ES2.5を基盤として構築されている。提供されるのは以下の3種類。

  • Correspondence Management Solution Accelerator … クレームレターなど顧客対応文書を、事前に承認されたレイアウト/コンテンツを利用して動的に作成できる
  • Interactive Statements Solution Accelerator … クレジットカード利用明細、電話料金明細、eビリングなどをセキュリティの確保されたPDFフォーマットに組込み、顧客とのやり取りを行う
  • Managed Review & Approval Solution Accelerator … コンテンツレビュー作業を複数の関係者にわたって効率化

Adobe LiveCycle ES 2.5はすでに米国では提供が開始されている。