日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 Lotus事業部長 三浦美穂氏

日本アイ・ビー・エムは10月20日、企業向けコラボレーション機能をパブリッククラウドで提供する「IBM LotusLive」ファミリーの新サービスとして、「IBM LotusLive Notes V1.3」を発表した。同サービスでは、「Lotus Notes/Domino」の企業向け電子メール、カレンダー、アドレス帳、インスタント・メッセージング機能を提供する。

ソフトウェア事業 Lotus事業部長 三浦美穂氏は、「われわれは"メール、カレンダーツール屋"ではない」と前置きしたうえで、同サービスの特徴について説明した。

「IBM LotusLive」ファミリーでは、すでにメール&カレンダーサービスとして、「LotusLive iNotes 」を提供しているが、同サービスよりもLotusLive Notesは高機能と位置づけられる。「LotusLive Notesは従来のWebメールでは実現できないような高機能を提供する、企業向けのサービス。日本のユーザーはユーザーインタフェースを重視しており、リッチにすることに高い意識を持っている」と同氏。

LotusLive iNotesではサポートされていない機能としては、Lotus Notesからアクセスできることがある。LotusLive Notesは、Lotus Domino環境と連携するハイブリッド機能を提供するため、自社で保有している「Lotus Notes/Domino」の拡張機能として利用することが可能だ。自社ではLotus Notes/Dominoのデータベースを用い、メールは外出先からもアクセス可能なLotusLive Notesを用いるといった使い方もできる。

加えて、モバイルデバイス向けのオプション「LotusLive Notes Traveler Services」も提供する。このオプションは、モバイルデバイスにおいて、Web経由のリアルタイムのアクセスではなく、ローカルに同期してオフラインでメールとカレンダーを利用することを可能にする。現時点で対応しているデバイスは、iPhone、iPad、Windows Mobile端末、Symbian端末で、Android端末への開発意向は表明されている。

同氏はLotusLive NotesがPOPとIMAPをサポートしていない理由について、「Notesで提供している高機能を提供する都合上、POPとIMAPには対応していない」と説明した。

LotusLive NotesとLotusLive iNotesの相違点

さらに、LotusLive iNotesとLotusLive Notesには次のような機能の違いがある。まず、iNotesではメールのプレビューに対応していないが、Notesでは対応している。また、iNotesは従来のWebメールと同様にメール画面内で受信メールや新規作成画面を切り替える必要があるが、Notesではタブ形式により複数の画面を利用することができる。これにより、複数のメールを同時に作成したり、メールを作成している途中に受信一覧から別なメールを参照したりといったことが実現される。

加えて、LotusLive Notesでは、ドラッグ&ドロップによる複数ファイルの移動、右クリックによる独自メニューの表示、送信オプションの設定が行える。そのほか、Lotus Dominoユーザーに便利と定評があるメール&カレンダーにおける代理権限機能もサポートされている。代理権限では、カレンダーの参照だけでなく、カレンダーの作成、メールの参照・代理作成などが行える。

IBM LotusLive Notes V1.3の画面

LotusLiveファミリーの販売を促進するための策として、SaaS検索・販売サイト提供事業者との協業も予定されている。

価格は1名当たり25GBのメール容量で年間8,580円、モバイルデバイス向けオプションの価格は3,440円となっている。