Fedora開発チームは9月28日(現地時間)、Fedoraの次期リリース「Fedora 14(開発コード"Laughling")」のベータ版を公開した。いくつもの新機能が実装されている中、最も注目すべきはデスクトップ仮想化フレームワークの「SPICE(Simple Protocol for Independent Computing Environments) 」で、これによりエンドユーザは、仮想化されたデスクトップ環境においても2Dグラフィクスのアクセラレーションや双方向の音声機能などを利用できるようになる。

ベータ版の時点でFedora 14に実装予定の主な新機能は以下の通り。

  • SPICE … FedoraのスポンサーであるRed Hatが2008年に買収したQumranetの技術をオープンソース化したアーキテクチャ。仮想化環境上に構築したデスクトップにリモートでアクセスすることが可能
  • MeeGo 1.0 … ネットブック用のUIとしてNokiaとIntelによるOSSプロジェクトMeeGoを採用
  • libjpeg-turbo … libjpegプロジェクトからフォークしたJPEG処理高速化技術。オリジナルのlibjpegに比べ、2倍のパフォーマンス向上が期待される
  • systemd … 次世代のマネジメントシステム。起動の高速化、アプリケーションの高速化が期待される。Fedora 14ではテクノロジプレビューの段階で、デフォルトに統合されるのはFedora 15以降とされる

そのほか、Rakudo Star、D言語などユニークな開発言語のサポートや、サーバ管理機構のIPMI(Intelligent Platform Management Interface)のアップデートなども実施されている。

Fedora 14は今後、10月にRC版をリリースした後、11月初旬に正式版を公開する予定となっている。