発売前のReaderを手にするソニーマーケティングの栗田伸樹社長

「ソニーディーラーコンベンション2010」が、9月8日から3日間、東京・高輪のグランドプリンスホテル新高輪「国際館パミール」で開催されている。同イベントは、ソニーの特約店向けに開催される展示会。今年は「Sony "3D" Experience」をテーマに、最大の商戦期である年末商戦向けの新商品を一堂に展示。独ベルリンで開催されたIFA2010に展示したVAIOの3D対応機や、電子書籍端末「Reader」などの展示も行われた。

開催に先駆けて行われた記者会見でソニーマーケティングの栗田伸樹社長は、「強いソニーを復活させる」と発言し、「年末商戦ではウォークマンでシェア50%以上」としたほか、テレビで20%以上、カメラ総合シェアで30%以上、ブルーレイレコーダーで30%以上、PCで15%以上という、強気のシェア目標を掲げた。また、3Dテレビビジネスでは、2010年度通年で50%以上のシェア獲得を目指すとした。さらに、Readerを年末に国内投入する計画を明らかにしたほか、VAIOの3D対応製品を2011年春に国内投入する計画を明らかにした。

ウォークマンでシェア50%以上獲得を目指すなど、強気のシェア目標を掲げた

3D対応製品の品揃えを今後も継続的に強化する

3D対応製品をソニーグループとして結集。コンテンツの強みも発揮する

3Dテレビビジネスで50%以上のシェア獲得を目指す

栗田社長はまた、「ソニーは、3D環境を"Lens to the Livingroom"として提案できる企業。またハードの普及にはコンテンツの充実が不可欠であり、それを実現できる企業でもある」とし、「3D製品は、ますます拡充していく考えであり、とくに今年の年末商戦に向けては映画、音楽、ゲームを取り揃え、ソニーが総力戦で取り組んでいくことになる。また、パーソナルコンテンツの普及も大切であり、3Dならではのリアルな想い出として残すためのハードの開発に力を入れていく。ソニーといえば3Dというイメージを作り出す」と語った。

3Dテレビについては、6月から8月にかけてトップシェアを獲得していることに言及しながら、「すでに1割近くが3D対応テレビになっており、年末に投入する30機種のうち、11機種が3D対応。来年には40型以上のテレビはすべて3D化することになる」などとした。

ソニーでは、2010年度の国内テレビ需要全体で、1,800万台を超えるのは確実と読んでおり、2,000万台近い需要が想定されるとする。だが、2011年7月24日のアナログ停波後の需要については、急激な市場の落ち込みが想定される。「一部にはこれをクライシスと呼ぶが、私は予見可能な未来とし、クライシスにはしないと考えている。メーカー主導の新たな需要が創出されることになり、そこに対して、ソニーならではの強力な製品を市場導入する。3Dや高速表示、モノリックデザインといった特徴とともに、インターネットに接続するテレビを提案する。2015年にはブロードバンドの普及世帯が9割に達すると見られ、モバイルブロードバンドも広がることになる。すでにソニーは、テレビの全機種においてインターネット接続を可能としており、2015年にはソニーのすべてのテレビがインターネットにつながることを目指す。その途中段階として、現在10%のテレビのインターネット接続率を、2011年には30%にまで引き上げる。LifeXのサービスを代表として、クラウド端末として、高画質、大画面、高音質のBRAVIAを活用してもらう」などとした。

アナログ停波後のビジネスに向けた助走が始まっているとする

テレビのネットワーク化に取り組むとして、2011年には30%のテレビをネットワーク接続させるという

2011年7月以降の継続的な成長のためには、この年末商戦での成功が必須とし、「エコポイントが来年3月まで延期されたが、この年末商戦がアナログ停波前の最大の商戦期であることには変わりはなく、製販において取りこぼしがない体制をとっていく」とした。

さらに、カメラビジネスの拡大を重要課題のひとつにあげ、「ビデオカメラの圧倒的シェアに加えて、NEXシリーズは、ミラーレス一眼という新しいジャンルを作り上げ、α33およびα55は予約販売の段階で我々の予想を上回る実績となった。カメラのすべてのカテゴリーにおいて製品を投入しているのはソニーであり、カメラ総合シェアにおいてナンバーワンを目指し、カメラはソニーというイメージを定着させたい」と語り、「年末商戦ではカメラ総合シェアにおいて、金額ベースで30%のシェアを獲得したい」と意気込みを語った。

なお、期間中は全国の特約店関係者など8,000人の来場を予定している。

展示されたReader。約1200冊の電子書籍を持ち運べるという。5型と6型が展示されていた。実際に動いている様子の動画はこちら

2011年春に発売するとした3D対応のVAIO

先日発表された3D対応プロジェクターも参考展示されていた

こちらは技術展示の形で展示されたフレキシブルディスプレイ

ソニーディーラーコンベンション2010の会場の様子

年末向け主力製品が一堂に展示された

カメラはデジタル一眼、コンパクト、ビデオカメラを総合してシェア拡大を目指す

展示された業務用3Dカメラ。Lens to the Livingroomがソニーの3D事業のコンセプト

シェア15%以上を目指すVAIOは個人向けのカラーバリエーションに大きな特徴

デジタルフォトフレームの参考出品もあった

ウォークマンは数々のドック製品を参考展示していた