ペンタックス(HOYA)は9日、デジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-r」を10月中旬に発売すると発表した。発売中の「PENTAX K-x」の兄貴分的なポジションであり、今後は併売となる予定だ。本体カラーはピンク、ホワイト、ブラックの3色。

ピンク、ホワイト、ブラックの3色を用意したデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-r」。「夜景HDR」などの新機能を採用した、全11種類のシーンモードを採用している

価格はオープン。予想市場価格はボディが74,800円前後、「smc PENTAX-DA L 18-55mm F3.5-5.6AL」が付属するレンズキットが79,800円前後、「smc PENTAX-DA L 18-55mm F3.5-5.6AL」と「smc PENTAX-DA L 55-300mm F4-5.8ED」が付属するダブルズームキットが99,800円前後。

撮像素子は、有効1240万画素のAPS-CサイズCMOSセンサー。画素数こそK-xと同等ながら、完全な新設計だ。映像エンジンには、上位機種譲りの「PRIMEII」を搭載。通常ISO200~12800、カスタム設定時では25600までの高感度に対応しつつ、ノイズを大幅に低減。定評のあるダストリムーバル(センサーのゴミふるい落とし機能)やSR(内蔵式手ブレ補正)機構のほか、レンズの歪曲収差と倍率色収差の自動補正(DA、DF A、FAリミテッドレンズに対応)、エントリー機では最高レベルとなる約6コマ/秒の高速連写(最大25コマ、JPEG記録時)を実現するなど、エントリー機としてはきわめて贅沢な機能とスペックをまとっている。

92.1万ドットの3.0型液晶を採用

右手だけで基本操作ができるようにボタン、レバーなどをグリップ側に集中させた

AF性能も大きく進化。最新の11点ワイド(中央9点はクロス)AFセンサーシステム「SAFOX IX」と、専用AF補助光を搭載。暗い場所でも確実なピント合わせを可能にする。また、ライブビュー時のAFもより高速になった。

背面液晶は92.1万ドットの3.0型高精細モニター。上下左右170°の広視野角により、ライブビュー時のロー・ハイアングル撮影も快適におこなえる。グリッド表示に「黄金分割」が追加されたことで、初心者でも見栄えの良い写真を撮りやすくなった。

多彩な映像表現が楽しめる「デジタルフィルター」は、新たに「トゥインクル」、「デッサン」、「ポスタリゼーション」が加わり、全18種類に。自分好みの画像仕上げができる「カスタムイメージ」は、映画のワンシーンのような重厚な表現になる「銀残し」など全9種類になった。

さらに色調を幻想的に変化させる「クロスプロセスモード」は、好みの画像のパラメーターを登録する「お気に入り」機能も搭載。新たに自動位置調整機能を採用したことで、手持ち撮影でも、「HDR」機能を活用できるなど、写真表現の幅も飛躍的に広がった。

ユニークなのは、高速赤外線通信機能(IrSimple/IrSS)の搭載だ。これを利用して、携帯電話など対応機器へのワイヤレスデータ転送やK-rユーザー同士での画像交換、Exif情報を利用した対戦ゲームなど、新しいフォトコミュニケーションが楽しめる。

10月下旬に発売予定のバッテリーホルダー「D-BH109」

また、フル充電で560枚の撮影が可能なリチウムイオンバッテリーと、入手しやすい単三形電池(4本)、どちらにも対応するマルチバッテリー仕様も注目だ。なお、単三形電池を使用する際には、別売りのバッテリーホルダー「D-BH109」(3,500円)が必要となる。

動画は、1280×720ピクセルのHD撮影が可能。デジタルフィルターや、カメラ内動画編集にも対応している。動画保存形式はMotion JPEG(AVI)。

ファインダー倍率は約0.85倍、視野率は約96%。K-xで多かった「スーパーインポーズが欲しい」との要望に応え、合焦時には測距点が赤く点灯する。記録メディアは、SD/SDHCメモリーカード。本体サイズは、125(W)mm×97(H)mm×68(D)mm(突起部除く)。SDカードと専用電池を含む重量は約598g。