Sun Microsystemsが進めていた「OpenSolaris」プロジェクトが間もなく消滅する可能性が指摘されている。これはOracle内部で回っていたメモが流出したもので、8月13日(米国時間)にOpenSolarisのメーリングリストにその旨が紹介されている。Oracleは現在、2011年にリリースを計画しているSolaris 11に注力しているが、一方で多くの開発者を集めるためにスタートしたOpenSolarisについては今後のバイナリ提供を中止し、開発者やユーザーを商用Solarisへとシフトさせていく計画だという。

本件は、OpenSolaris MLの「OpenSolaris cancelled, to be replaced with Solaris 11 Express」という投稿で確認できる。先日Oracleは2011年に次のメジャーリリースであるSolaris 11の提供を行うことを発表したが、一方でOpenSolarisについての反応はあまり芳しくなく、つい先日にはOpenSolarisのCD配布中止がアナウンスされている。コスト削減が理由の1つとみられるが、OpenSolarisプロジェクトの段階的な縮小は開発者らの間に不安を呼び起こしていた。その予感は的中しつつあり、OracleによればCDだけでなくOpenSolarisのバイナリそのものの配布を中止し、OpenSolaris 2010.05より後のメジャーバージョンのリリース提供や週単位のビルド提供などが今後行われることはないという。

OracleのOS戦略は明確で、まず商用製品とハイエンドサーバ(特にSPARCサーバ)でのSolarisを非常に重視していること。そしてその派生プロジェクトの見直しだ。同社は2011年にSolaris 11をリリースする前に、「Solaris 11 Express」というバイナリの提供を計画している。Solaris 11 Expressは開発者向けライセンスの製品であり、別途サポートサービスの提供も用意される。OracleではSolaris 11 Expressを今年末までに提供することで、開発者やユーザーでの利用を2011年の本リリースまでに拡大しようという狙いだ。「ユーザーや開発者の拡大」というゴールではOpenSolarisと目的が被っていることもあり、結果的にOpenSolarisプロジェクトの縮小、やがては廃止というロードマップを描いたのかもしれない。