ノートPCへの要求は、ユーザーによって大きく違ってくる。1台ですべてを済ませようと思うと光学ドライブは必須だが、モバイル利用を考えるならば「軽さ」や大容量バッテリが欲しくなる。普段はデスクワークで快適に使って、いざとなれば持ち歩きも万全、というのは少々贅沢な要求だ。しかし、そんな「わがまま」を受け入れてくれるのが「LIFEBOOK SH760/AN」だ。
重量は最軽量時で約1.52kg。モバイルノートとしては、軽いとは言えないものの、持ち歩きが苦になる重さでもない。その分、13.3型の大型ディスプレイが使い勝手を向上させてくれる。そして、この「最軽量時」という書き方は何なのかといえば、文字通り一番軽い組み合わせの時ということだ。
標準ではDVDスーパーマルチドライブが搭載されているのだが、これを取り外してプラスチックカバーに変更すれば、ドライブの重量分軽くなる。その状態が「最軽量時」だ。さらに、ここに増設バッテリユニットを搭載することで、最大9時間のバッテリ駆動が可能になる。カバーやバッテリユニットは別売りのオプションではあるが、使用目的に合わせて機能を切り替えることのできるモバイル・マルチベイ構造は、使い勝手を良くしてくれる。
WiMAXも内蔵し、どこでもブロードバンド接続を楽しめるモデルであるのも特徴だ。こうしたモバイル用途を見込んだモデルの多くが取り入れている省電力設定への切り替え機能を「LIFEBOOK SH760/AN」も持っている。キーボード奥にある「ECO」ボタンを押すだけで、省電力モードへと切り替え可能だ。どの機能をオフにするかは「省電力ユーティリティ」で設定することができるが、標準では徹底的な省電力を行う設定となっている。
たとえば、モバイル・マルチベイに装着されているDVDマルチドライブの電源をオフにすることで、ドライブの開閉を含めた一切の機能を利用不能にできる。オーディオ、無線LAN、WiMAX、有線LANの全機能がオフになり、画面の明るさも変更される。各種機能が使いたくなったら、またボタンを押すだけでよい。ユーティリティで自分好みの設定を作っておけば、かなり便利に使えそうだ。
快適さだけでなく、安全面でもモバイル利用が考慮されている。3D加速度センサーを利用して、自動的にHDDを保護する「HDDプロテクション」が搭載されているが、その動作状況をユーザーが確認することもできる。普段から使い方が荒いと自覚がある人は、ユーティリティで衝撃検出時にメッセージを表示する設定にしてみると面白い。最近はラッチレス構造のモデルが増えている中、あえてラッチのある形にしたのも、しっかりと画面を閉じることを意識しているのかもしれない。