Acronisセキュアゾーンの活用

Acronis True Image Home 2010の代名詞とも言える「Acronisセキュアゾーン」。ディスク上にバックアップデータを格納する特殊なパーティションを作成し、常にバックアップデータをローカルディスクに置くことで、シームレスなバックアップと復元を実現する機能だ。非表示パーティション上に作成し、セキュリティ保護が施されるため、ウイルスによる攻撃や人為的ミスによるバックアップデータの破損を未然に防ぐことができる。もちろん同領域には、Acronis True Image Home 2010のディスク管理ツールを筆頭に、特定のWindowsアプリケーションのみアクセスできるので、セキュリティ面も万全だ。

同機能を使用するには、事前設定が必要となる。「ツールとユーティリティ」に含まれる「Acronisセキュアゾーンの管理」を実行すると、ウィザード形式でAcronisセキュアゾーンが使用するパーティションのリサイズや簡単な設定が、ほぼ自動的に行われる(図13~18)。

図13 メイン画面の「ツールとユーティリティ」から「Acronisセキュアゾーンの管理」をクリックする

図14 Acronisセキュアゾーンとして使用する領域を選択する。通常はほとんどを使用済みとなるためパーティションのリサイズが必要なるので、ここでは変更するデバイスおよびボリュームを選択して<次へ>ボタンをクリック

図15 Acronisセキュアゾーン用領域の調整を行う。スライダーからテキストボックスに使用する数値を入力して<次へ>ボタンをクリック

図16 最後に操作内容の確認をうながされるので、問題が内容であれば<実行>ボタンをクリックする

図17 図16の画面でオプションのステップに並ぶ<パスワード>をクリックすると、Acronisセキュアゾーンにアクセスする際にパスワードの入力を求めることも可能だ

図18 するとパーティションの操作などを経て完了を示すメッセージが表示される。<OK>ボタンをクリックすれば作業完了だ

<OK>ボタンをクリックすれば作業完了だ

Acronisセキュアゾーンにデータをバックアップするには、通常と同じバックアップウィザードでバックアップデータ保存先を選ぶ際、コンピューターやFTP接続などと並んで表示される<Acronisセキュアゾーン>を選択するだけだ。復元時はリカバリウィザードで自動的に列挙されるAcronisセキュアゾーン上のバックアップデータを選択するだけと実に簡単(図19~20)。

図19 バックアップ時はデータ保存先で<Acronisセキュアゾーン>を選択するだけだ

図20 復元時もリカバリウィザードに列挙されるAcronisセキュアゾーン上のバックアップデータを選択すればよい

仕組み的には独自パーティションを作成し、Windows 7から参照できない仕組みを施すことで、Acronisバックアップイメージの保護と利便性を向上させるシンプルなものだが、Acronis True Image Home 2010を活用する上で同機能は有益な存在となるだろう。ちなみに、Acronisセキュアゾーンの空き容量が減ってきた場合、バックアップ実行時に容量不足であることを示す警告ダイアログが起動する。その際<OK>ボタンをクリックすれば、古いバックアップデータを削除することが可能だ。履歴要素を持たせる場合、Acronisセキュアゾーンに割り当てる容量を多めにとっておくと便利だろう(図21)。

図21 Acronisセキュアゾーンとして割り当てたボリュームはドライブ文字の割り当てやマウント操作を行うことができないため、大半のウイルスや人為的ミスによるデータ消失から身を守ることができる。

また「コンピューター」からはバックアップデータに直接参照可能だ