既報の通り、マイクロソフトは17日、Office 2010の一般向けパッケージ販売をスタートさせ、Office 2010がプリインストールされた424機種のPCの販売も開始された。同社はこれにあわせ、今後Windows LiveやHotmailの機能強化が行い、コンシューマ向けクラウドサービスを充実させる。

Office 2010プリインストールPCを販売する各メーカーの代表者

今回のOffice 2010では、従来のPC用Officeに加え、スマートフォン向けのOffice Mobilie 2010も提供され、これらが同社のオンラインサービス「Windows Live」や「Hotmail」を介してシームレスに連携する。Windows Liveにおいても、Office 2010のWebバージョン「Office Web Apps」が提供され、Office 2010がインストールされていないPCでも、ブラウザを利用してOfficeドキュメントが編集できる。ドキュメントはWindows Live上のストレージサービス「SkyDrive」を介してやり取りし、1つのドキュメントを共同で編集することも可能になっている。

Office Web AppsによるPowerPointドキュメントの編集

同社では、これらをコンシューマ向けクラウドサービスと位置づけ、今後も機能の強化を図っていく。

クラウドを介したWindowsプラットフォームの連携

マイクロソフト 代表執行役 副社長 堂山昌司氏

マイクロソフト 代表執行役 副社長 堂山昌司氏は、発表イベントにおいて「現在、世の中はクラウド一色だが、我々はクラウドサービスへの取り組みを1995年からPassportというブランドでスタートさせている。最近は多くのサービスがクラウドサービスになりつつあるが、我々がそのきっかけを作ってきた。Office 2010、オンラインサービスのWindows Live、ソフトウェア、そしてそれらがつながっているデバイスも包括された、我々のコンシューマ向けのクラウドサービスの位置づけが理解いただければと思う」と挨拶した。

Office Web Appsは、まずOffice 2010の正規ユーザーに提供され、数カ月をかけ、他のユーザーに提供されていくという。

マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 業務執行役員 本部長の横井伸好氏

Office 2010の国内ベータダウンロード数は57万で、これはOffice 2007の3倍以上だという。また、Office 2010の予約数は、Office 2007の発売時の2倍あり、マイクロソフトインフォメーションワーカービジネス本部 業務執行役員 本部長の横井伸好氏は、「手応えを感じている」と自信を見せた。

Office 2010の発売に合わせ、Windows LiveやHotmailも夏に向け機能強化が行われ、順次リリースされる。Hotmailでは、修正が必要なOfficeドキュメントが添付され送られてきた場合、外出先でOffice Web Appsを使って修正でき、修正したドキュメントは自動的にSkyDrive上に保存される。そして、修正したドキュメントへのリンクが挿入された相手への返信メールも自動的に作成されるという。

Windows LiveやHotmailも夏に向け機能強化

SkyDriveへのリンクが張られた返信メール

Windows Liveのフォトギャラリーでは、顔認証機能を搭載、SkyDriveに保存された写真の中から特定の人物が写っている写真だけを収集することが可能なほか、顔のテカリやニキビの除去といった修正機能も提供される。そのほか、ムービーメーカーでは、SkyDrive上の写真を使って、ムービーを作成することができる。

フォトギャラリーの顔認証機能

特定の人物が写っている写真だけを収集