米Intelは4月13日(現地時間)、2010年第1四半期(1-3月期)決算を発表した。同四半期の売上は103億ドルで前年同期比44%のアップ、純利益は24億ドルで288%の大幅アップとなった。前年同期は金融危機直後の大幅需要減の時期だったところに、「同社過去最高となる第1四半期決算」(同社プレジデント兼CEOのPaul Otellini氏)が重なったこともあり、業績回復の急カーブを描いた形となった。

個別に業績を見ていくと、欧州、アジア太平洋、日本のほとんどの地域で通常の同時期よりも高い売上を記録していたという。一方で南北アメリカ全体では直前の2009年第4四半期の高い業績の反動で、通常よりも減少幅が大きくなる現象が見られたようだ。

事業部別ではPC向けプロセッサが中心のPC Client Groupの売上が77億ドルで、前年同期比では43%のアップとなる。プロセッサ出荷数が大幅に伸びたほか、新世代のIntel Coreプロセッサが同時期に出揃ったこともあり、特にモバイル向けプロセッサにおいてASP (平均販売価格)が大幅に上昇している。サーバ製品が中心のData Center Groupの売上は19億ドルで、前年同期比では48%のアップとなり、ASPも向上している。今回のポイントは、ラインナップの更新時期到来でほぼすべてのプロセッサが同時期に出揃ったこと、そしてモバイルとサーバ製品の好調で販売数増とともにASPが回復したことにある。サーバ需要の回復とは、つまり企業のIT投資がある程度復活したことを示すもので、これはIntelや周辺ベンダーには朗報だ。

だがここでより注目したいのは、Atomプロセッサ事業だ。関連チップセットを含む同事業の第1四半期の売上は3億5500万ドルで、直前の2009年第4四半期と比較すると19%のダウンとなっている。同社によれば、クリスマスシーズンを控え季節的に売上の伸びる傾向にある第4四半期が過ぎ、メーカーが在庫処理を進めた結果の下落だと説明しているが、一部にはこれがネットブック需要がすでに一巡して、Atomプロセッサの需要が減りつつあるのではないかという指摘もある。これはIntelの決算発表のカンファレンスコールでも話題となり、その様子はWall Street Journalがレポートしている。結論からいえば、Otellini氏はこうしたネットブック衰退説には否定的な立場であり、今年全体ではさらなる成長を予測しているという。いまは好調だった前期の反動だというが、今年後半までに同氏のいうような回復は見せるのだろうか。

なお第2四半期の予測は、売上が102±4億ドル、グロスマージンが64±2~3%としている。第1四半期より売上が下回る形となるが、今期が予想外の好調であり、この102億ドルでも例年よりは若干高い水準だという。