Google Apps向けマーケットプレイスがオープン

Googleは3月11日、企業向けWebアプリケーションサービスである「Google Apps」のユーザ向けに、『Google Apps Marketplace』というビジネスアプリ用マーケットを開始した。Google AppsにサードパーティのWebアプリを組み込める仕組みを持つサービスだ。同様のサービスとして「Google Solutions Marketplace」が知られていたが、これも統合する形で新しいサービス形態になったようだ。Google Solutions Marketplaceの場合、Google Apps上でのみ動作するWebアプリケーションを提供するというイメージがあったが、Google Apps Marketplaceの場合は稼働済みの自社WebアプリケーションとGoogle Appsを連携できる点がメリットとなっている。

「Google Apps Marketplace」のトップページ。Google Appsへの登録が必須だ

本稿では、Google Apps Marketplaceの登録アプリケーションの利用方法についてレポートしたい。

Webアプリケーションの導入・利用開始まで

Webアプリケーションは約10種類のジャンルに分けて登録されている

利用にはGoogle Appsの登録が必要になる。一般的には企業向けではあるが、無料で利用できる「Google Apps Standard Edition」も用意されている。有料版との違いは、一部機能に制限がある(ビジネス向け管理機能/ SSL/ SSOなど)、SLA(サービスレベル保証)がない、容量が一般のGoogleユーザと同等といった点。だが、Google Apps Marketplaceを試すことは可能だ。本稿ではGoogle Appsへの登録方法の説明は割愛する。

Google Appsに登録後、Google Apps Marketplaceへアクセスしてみよう。本稿執筆時点(2010年3月17日)では日本製のサービスは見受けられないが、「Zoho」のように日本語対応サービスであれば日本語で利用できる。日本製サービスは今後、増えていくのではないだろうか。なお、Google Appsには、Webアプリを提供する「Product」とサポート、カスタマイズなどを行なう「Service」に分かれている。ここではWebアプリを利用するProductについて説明する。

Webアプリケーション詳細。<Add it now>ボタンでインストールが開始

WebアプリケーションをGoogle Appsにインストールすることは簡単だ。Google Apps Marketplaceで導入したいWebアプリを選択し、<Add it now>ボタンをクリックすればよい。ドメイン入力欄が表示されるので、自社のGoogle Appsドメインを入力する。続いて<Go>ボタンでGoogle Appsに切り替わり、ログイン画面が表示される。その際、アプリケーションを追加できるのは "管理者権限をもったユーザ" に限られる点に注意してほしい。あとは各Webアプリの利用規約やデータアクセスに関する承認を行ない、インストールしたWebアプリを有効にすれば一連の作業は完了だ。

インストール完了後、管理画面から設定を変更できる

管理画面インデックス。インストールしたWebアプリの一覧を確認できる

サードパーティ製Webアプリの特徴とは?

Google Apps Marketplaceから導入したWebアプリは、画面上部の「その他」メニューに追加され、利用できるようになる。Google Apps各アプリが持つデータへのアクセスはOAuthを使って行われ、実際にデータの読み書きが可能になる。

メニューにもWebアプリケーション名が並ぶ

たとえば、複数人でミーティングの時間調整をするアプリ「TimeBridge Meeting Manager」の場合、「Googleカレンダー」へのスケジュール反映やGmailを使った調整などが行なえる。サードパーティの各Webアプリは、Google Appsの標準アプリと柔軟に連携できる点が特徴といえるだろう。

サードパーティ製Webアプリの注意点

Googleドキュメント内にAviaryで作ったベクター画像が埋め込まれている例。編集はAviary上で行なう

サードパーティ製Webアプリでは問題にならないと思われるが、Google製Webアプリの場合はドメイン設定が必要なものがある(「Short Links」など)。この場合、Google Apps上での設定のほか、DNS設定が必要となり、若干手間に感じるかもしれない。サードパーティ製Webアプリでは、OpenIDによる認証後、アプリによっては独自設定(ユーザ名など)が必要になったり、Google製アプリとの間で何度もやりとりすることがある。

たとえば、画像編集ツール「Aviary」の場合、「Googleドキュメント」上にベクター画像を埋め込めるのだが、編集作業自体はAviary上で行なう。そのため文字編集はGoogleドキュメント、画像編集はAviaryで──という形でWebブラウザのタブを切り替えて作業することになる。(仕方はないのだが)連携はできるものの、統合はされていないといった印象だ。(続きはこちら)