PC-BSD is a free operating system with ease of use in mind. |
iXsystemsは22日(米国時間)、PC-BSDの最新版となるPC-BSD 8.0 (Hubble Edition)を公開した。PC-BSDはFreeBSDをベースにGUIインストーラとより進んだパッケージ管理システム、デフォルトで動作するKDEベースのデスクトップ環境を提供するFreeBSDディストリビューション。32ビット版(i386)および64ビット版(amd64)に対して、それぞれCD/DVDイメージ、USBイメージが提供されている。
新機能追加や改善以外にPC-BSD 8.0で注目されるのは、インストール対象にFreeBSDそのものが選べるようになったところにある。FreeBSDの公式インストーラはCUIベースであり、最低限の機能しか活用しない。インストール時にZFSやGEOM、各種モジュールなど高度な機能を設定できない。
PC-BSD 8.0主要コンポーネント |
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FreeBSD 8.0-RELEASE-p2 |
KDE 4.3.5 / X.Org 7.4 |
Nvidia Driver 195.22 / 173.14.20 / 96.43.13 |
PC-BSD 8.0の主な新機能と変更点 |
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新しいシステムインストーラの導入(PC-BSDおよびFreeBSD両対応、GMirror/GELIサポート、ZFSサポート改善) |
ソフトウェアマネージャの改善(Webビューアからの閲覧とインストール、自動アップグレード) |
DVDインストーラライブモードの実現 |
PBIシステムの改善 |
クリーンJail環境でPorts Collectionを使ったインストールを提供するPorts Consoleの導入 |
FreeBSDの最新の機能を活用しつつ、GUIも提供するインストーラの開発はfinstallが期待されていたが、開発者が時間がとれなくなったことで実施的に停止している。EuroBSDCon 2009でもGUIインストーラは議題に登ったが、PC-BSDをFreeBSDインストーラと位置づけることでいいのではないかという声があがっていた。今回のFreeBSDインストール機能は、こうした声に答える意味もあるとみられる。
PC-BSD 8.0は次のようなユーザに向いている。
- FreeBSDを使ってみたいノービスユーザ
- FreeBSDを一通り触ってみたいが、Xのセットアップをやりたいくないケース
- UbuntuのようなGUIインストーラが必要なケース
- FreeBSD ZFSを使ってみたいケース
FreeBSDを使ってみたいが、公式配布されているインストーラになれないという場合や、Xのセットアップが面倒という場合、PC-BSDは便利に活用できる。インストール時にZFSを指定できることからFreeBSD ZFSを試してみたいという場合にも便利。ただしルートパーティションにZFSを指定するとうまく起動しないほか、本格的にZFSを試すなら最初からセットアップ作業をした方がいい。あくまでもPC-BSDでのZFSインストールはさわり程度の利用と考えておいた方がいい。
PC-BSD 8.0はネットブックでの利用にはあまり向かない。PBIのメカニズム自体は優れたものだが、デスクトップ環境として使いたいという場合、ある程度FreeBSDの技能がなければ不便なところもある。デスクトップ環境としてのみ使う目的としてはUbuntuの方が完成度が高い。