27日(米国時間)、米サンフランシスコで米Appleがスペシャルイベントを開催し、タブレットデバイス「iPad」を発表した。キーノートでは「マジカル (magical)」という言葉が連発された。デザイナーのJonathan Ive氏によると、「どのように動作しているのか、想像の範囲を超えたものに直面したら"マジカル(魔法のような)"としか思えない。iPadは、まさにマジカルなデバイスだ」と述べる。Steve Jobs氏の基調講演の様子は後ほどお伝えするとして、まずは展示スペースで触ってみた"魔法のようなデバイス"iPadの第一印象をお届けする。

"魔法のような革新的なデバイス"……「iPad」を披露するSteve Jobs氏

iPadは良くも悪くもiPhone OSデバイスだ。iPhoneまたはiPod touchを使ったことがある人ならば、迷わずすぐに操作できるだろう。音量調節ボタンとサウンドオン/オフが右側面にあるだけで、ボタンやコントロールの構成は同じ。ユーザーインタフェースやOSの基本操作にも大きな違いはなく、画面に触れてシンプルかつ直感的に操作できるiPhone OSデバイスの特徴を受け継いでいる。

正面から見たら1枚のガラス板のようなシンプルなデバイスだ

最初に持ったときには、W189.7×D13.4×H242.8mmという大きさが中途半端に思えた。画面が広いとはいい難いし、かといって片手で楽々と扱えるほどコンパクトでもない。会場にあったのはWi-Fiモデルで重量は680g。これも”パッド”と呼べるような軽さではない。Wi-Fi+3Gモデルだと730gになる。

ただ使ってみると、その中途半端さが"マジカルな中途半端さ"なのだ。たとえばiPhoneやiPod touchでは見る気がしなかった映画も、そこそこ迫力のある映像で楽しめる。写真のスライドショーも同様だ。Webブラウジングはレイアウトが複雑なページには小さすぎるが、マルチタッチを駆使すれば特に不満はない。これよりも画面が大きくなると電子ブックの読みやすさが損なわれそうだ。ゲーム機としては、PSPのように本体を両手で包み込んでコントロールするには若干大きすぎる。だが、操作に苦労するほどではない。このように書くと「帯に短し……」思うかもしれないが、電子メールや文書作成なども含め、何をやるにしても大きすぎず、小さすぎず、重すぎず、軽すぎずという絶妙なバランスなのだ。

アプリの追加で様々なデバイスに変わるiPadにとって、このバランスの良いサイズは大きなポイントである。またディスプレイにIPS液晶が採用されているため、持つ、机に置く、立てかけるなど、画面を見る方向が変わっても色の変化の少ない自然な表示が維持される。

iPadとiPod touch

デザインが近いという噂があったので初代iPhoneを持参。iPadと比較