インテルの宗像義恵氏

インテルは12月16日、都内で記者向け説明会「インテル IAアップデート」を開催した。同社取締役副社長の宗像義恵氏が登壇し、2009年のハイライトを"インテル 10大ニュース"として発表、1年間を総括した。

発表されたインテルの2009年の10大ニュースは以下のとおりで、ちなみに、ちょっと苦しいような気もするが、項目の先頭の数字はニュースの内容に関連したものになっているそうだ(「5.=Core i5」、「9.=UQ」など)。

0.インテル Xeon プロセッサー 5500番台発表 (4月)
1.インテル WiMAX/WiFi Link 5150通信モジュールにより、WiMAX内蔵PCが登場 (6月)
2.新規製造プロセス(32nm)への投資(2月)と次世代22nmプロセスに基づくSRAMを公開 (9月)
3.インテル vPro テクノロジー対応ソリューションが30以上に拡大 (9月)
4.34nmプロセスに基づくインテル SSD製品を発表 (7月)
5.インテル Core i5 プロセッサー発表 (9月)
6.新しいインテル Atom プロセッサー 6製品発表により車載など様々な組み込み製品に対応 (3月)
7.ノートブックPC向けにインテル Core i7 プロセッサー発表 (9月)
8.48コアのシングルチップ・クラウド・コンピューター公開 (12月)
9.モバイル・コンピューティングを加速するUQ WiMAXサービス開始 (6月)

ついにサービスが開始され、内蔵PCも登場しはじめたWiMAX

vProの拡大もトピック。今年の成果としては、医療現場での導入が成功した点もアピールされた

2009年が不況のあおりを受けて厳しい年であったことは、インテルとて例外ではなく、宗像氏も「2009年は非常に厳しい環境でビジネスをスタートした」と話す。しかしながら、「Q1をボトムに、確実に戻ってきていると思っている。数字もそのようについてきている」とも。そのため、2010年は非常に良いスタートがきれるだろうと展望する。

宗像氏は、Intelの創業者の一人であるアンディ・グローブ氏の「厳しい不況にも必ず終わりがくる。投資抑制は不況脱出後の弱体化を招く。戦略的な投資を行なった企業が、不況後に競争力を増す」という言葉も引用しつつ、2010年の成長に自信を持つ理由を「32nmプロセスや、WiMAXなどを進めたように、不況下でも投資を怠らなかった効果が出てきている」ことにあると説明した。

32nmプロセスについては、同プロセスで製造されるCoreシリーズの新プロセッサ「Westmere」(コードネーム)の量産準備が既に万全だとしており、2010年早々には出荷が始まる予定であることが紹介された。さらに、上記10大ニュースにも22nmプロセスのSRAMの話題が出ているが、22nmの2011年の量産も「既に見えている」(宗像氏)という。

「ムーアの法則」は健在。22nmプロセスの進捗も順調のようだ

宗像氏は、微細化を進めることで、トランジスタの小型化が可能となり、よりコストや電力を下げられ、パソコン以外の組み込み製品などにもIA(インテル アーキテクチャ)を拡大していくことが可能になると、今後の見通しを語っていた。