Lunascapeは11日、Webブラウザ「Lunascape」の最新バージョンとなる6.0 ORIONを公開した。10月14日にα版が発表されて以来、世界中からのフィードバックを得て修正を行い、正式版の公開へと至った。
6.0 ORIONの新機能であるが、
- Firefoxのアドオンに対応し、世界初のトリプルアドオン対応
- 新たなユーザーインタフェースORIONスキンを搭載し、操作性の向上
- カスケード表示
- Windows 7に正式対応
- これまでのトリプルエンジンをLunascape APIから操作可能
などである。また、一般的にアドオンを多数インストールすると、どうしても起動時に時間がかかってしまう。Lunascape6.0 ORIONでは、この点で大幅なチューニングを行い、起動時間の短縮も達成された(図2)。
Firefoxのアドオンを試してみる
Lunascape6.0 ORIONの新機能はいくつもあるが、本稿ではFirefoxのアドオンを試してみたい。同社によれば、すべてのFirefoxのアドオンの動作が保証されるわけではないが、これまでのアドオンがほぼ使えるという点は、とてもありがたい。Firefoxのアドオンをインストールするには、レンダリングエンジンをGeckoに設定する必要がある。この点を忘れないようにしよう。 まず、インストールしたアドオンは、SearchPreview(旧称GooglePreview)4.0である。Googleの検索結果に対し、各サイトのプレビュー画面を表示するアドオンである。インストール手順は、Firefoxとまったく変わらない。インストール後のLunascape6.0 ORIONである(図3)。
なんの問題もなかった。次に、分割ブラウザ (Split Browser) 0.6.2009110501をインストールしてみた。Lunascape6.0 ORIONは、新機能でカスケード表示を行うことができるのであるが、あえてやってみた。
こちらも問題ない。さて、次は、Fast Video Download 3.0.8である。このアドオンは、YouTubeなどの動画サイトで、ステータスバーに表示されるアイコンをクリックすることで、表示されているページの動画をダウンロードするものである。同じようにインストールしてみた。Lunascape6.0 ORIONを再起動してもほとんど変化がない。マウスポインタを下部のステータスバーに合わせると、Fast Video Download 3.0.8のアイコンが表示される(図5)。
アドオンの中には、このようにメニューではなく、ステータスバーを利用するものが少なくない。その度にマウスポインタを移動させていく、というのもわずらわしい。そこで、右上にあるGeckoのメニューから[拡張モード(Gecko)]を選択する(図6)。
図6 Geckoのメニュー |
すると、ブラウザ画面内にあたかもFirefoxのようなツールバーなどが表示されるようになる(図7)。
同様にテーマなども拡張モードにすることで、表示させることができる。最後に、Personas 1.4を試してみよう。これは、簡易テーマ機能を提供するアドオンである。このアドオンも、通常の状態では何も変化がない(図8)。
さて、ここで拡張モードに変更すると、図9のようになる。
ペルソナが表示されている。Geckoのメニューから[アドオンの追加・管理]を選択したものが、図10である。
Firefoxとまったく同じである。このように、ほぼFirefoxと同じアドオン環境が構築できるであろう。これまで筆者の試した範囲では、動作しなかったアドオンはなかった。Firefoxのバージョンに依存する部分は、Firefoxとまったく同様である。拡張モードで、[ヘルプ]の[Geckoについて]を表示したものが、図11である。
図11 Geckoについて |
つまり、Firefox 3.5.4とほぼ同等ということだ。アドオンの側で、バージョンによる対応・未対応がある場合には、それと同じになると理解すればよいだろう。Lunascapeには、トリプルエンジンで、これまでも移行の敷居は低かった。しかし、Firefoxのアドオンが使いたいという要求に対しては、無力であったのも事実。6.0 ORIONでは、これが可能になり、移行への敷居はまた低いものとなったといえよう。