Chrome OS登場 - オープンソースは『Chromium OS』

Chromium OS is an open-source project, building OS that provides fast, simple, and more secure computing experience for people who spend most of their time on the web.

Googleは19日(米国時間)、Chrome OSのオープンソースプロジェクトChromium OS発表した。Chrome OSはChromeを動作させることに特化したLinuxディストリビューション。ネットブックをターゲットにしたOSで、ハードウェアを限定し起動処理を短縮化することで高速なシステムの起動を実現している。

Chrome OSで動作するアプリケーションはChromeのみ。あとはすべてWebサービスやWebアプリケーションとして提供される。ログインもGmailのアカウントで実施する。ハードウェアベンダと協力して対象とするハードウェアに特化したものになるため、汎用的にインストールできる形式では提供されないとされている。

しかし、Chrome OSのオープンソースソフトウェア版はChromium OSとして公開されており、これはビルドすることも実行することもできる。ここではChromium OSをビルドしてVirtualBoxで使う方法を紹介する。なお、27日執筆現在での内容であり、実際に作業する段階では内容が変わっている可能性がある。紹介するドキュメントにしたがって比較しながら作業してみてほしい。

ビルド環境と事前準備

Chromium OSにおいてビルド方法がGetting and Building a Chromium-Based OSとしてまとまっているため、基本的にはこの手順にしたがって作業すればよい。ここではビルドにUbuntu 9.10 Desktop (i386)を使い、作成した仮想イメージの実行にはVirtualBox 3.0.51.r22902を使う。ビルドしたバージョンはChromium OS 0.4.22.8だ。

  • ビルド環境: Ubuntu 9.10 Desktop (i386)
  • ビルド対象: Chromium OS 0.4.22.8
  • 実行環境: VirtualBox 3.0.51.r22902 (on FreeBSD 9-CURRENT)

作業する前のディスク容量と、VMware仮想イメージファイルの作成まで含めた作業後のディスク容量を比較すると5GB以上の容量が消費されている。ドキュメントにあるように、10GB以上のディスク容量は用意しておいた方がよさそうだ。

Ubuntuでビルドするにあたって必要になる開発ツールやライブラリを自動的にインストールするスクリプトがLinuxBuildInstructionsPrerequisitesにおいてbuild/install-build-deps.shとして提供されている。まず、このスクリプトをダウンロードして実行する。

% sudo su install-build-deps.sh
Chromium OSのサイトで提供されているスクリプトinstall-build-deps.shを使って必要になるツールをダウンロード (今のところUbuntu向け)

最終的に作成したディスクイメージをVMwareのディスクイメージに変換するためにqemu-img(1)コマンドを使うため、QEMUもこの段階でインストールしておく。

% sudo apt-get install qemu
QEMUのインストール

ソースコードの取得

Chromium OSではおもに2つのソースコードが提供される。OSとブラウザだ。どちらもビルドすることができるが、ブラウザについてはバイナリをダウンロードしてきて使うこともできる。ソースコードの取得にはGitを使う方法とTarballをダウンロードしてくる方法がある。自分でカスタマイズ版をビルドしたいならブラウザもOSもGitで取得した方が便利だ。ただ試せればいいという場合はOSのTarballをダウンロードして使えばいい。

ソースコードはGetting the Chromium OS Source Codeからダウンロードできる。文中にある「tarball」をダウンロードしてきて展開する。ここではchromiumos-0.4.22.8.tar.gzをダウンロードしてきて展開した。

% tar zxf chromiumos-0.4.22.8.tar.gz
Chromium OSのソースコードをTarballで取得した場合 - tar(1)で展開

展開するとこの場合はchromiumos-0.4.22.8というディレクトリが展開される。