LinuxをカーネルにもつOSは今や数多に開発されており、独自性を打ち出しつつ、各自進化を続けている。その中でも近年はいくつかのLinuxディストリビューションが特出してユーザーに支持されている。今回レビューするUbuntuとopenSUSEもそれらに属する。

Ubuntuが10月29日に、openSUSEが11月12日にそれぞれ次期リリース版「Ubuntu 9.10」「openSUSE 11.2」を公開する予定となっている。今回はそれにさきがけ、この2つのLinuxディストリビューションを紹介してみたい。

なお、レビューに使用しているのは、10月1日(英国夏時間)に公開されたUbuntu 9.10 Beta(デスクトップ版)と、同じ1日(米国時間)に公開されたopenSUSE 11.2 Milestone 8。正式版までまだ日があるため、細部で異なる可能性があるがご了承願いたい。

レビューを行う前にそれぞれの簡単な説明をしたいと思う。

Ubuntuは、Ubuntu Foundationによって公開されているLinuxディストリビューション。開発はおもにUbuntu Communityが行っている。スポンサーとしてCanonicalがついている。LinuxディストリビューションのひとつであるDebian Linuxから派生しており、初心者に配慮した操作性や使いやすさを重視して開発されている。用途別にデスクトップ版とサーバ版、ネットブック版を用意しており、4月と10月と半年ごとのリリースを定期的に行うといった特色も打ち出している。

openSUSEは、openSUSE Projectによって開発されているLinuxディストリビューション。スポンサーとしてNovellAMDIP Exchangeがついている。デスクトップユーザーからサーバ用途まで幅広い用途を対象としており、インストール時にデスクトップ環境としてGNOMEかKDEを選択できる。また、システム管理ツールであるYaSTやXglなどNovellによって開発されたソフトウェアを積極的に採用している。

ともにコミュニティレベルで開発されており、オープンソースライセンスのもと公開されている点に関しては他のLinuxディストリビューションと同じではあるが、スポンサーとして企業がついている点に違いがある。後援する企業があることで運用資金を確保でき、活発な開発が可能になる。