IT ホールディングスのグループ会社であるユーフィットは10月15日、グループウェア機能とポータル機能を融合させた新製品「「ナレジオン」の提供を開始したと発表した。同製品の提供形態はSaaSとライセンス提供の2種類だが、SaaSでの提供が先行する。

ユーフィット 取締役執行役員 ソリューションビジネス事業部長兼東京産業事業部長 佐藤祐次氏

取締役執行役員 ソリューションビジネス事業部長兼東京産業事業部長を務める佐藤祐次氏は、「当社はこれまで外部のERPパッケージをベースにインテグレーションを進めてきたが、ナレジオンは企画から開発まですべて自社で手がけた製品。また、グループウェアの開発は一般に顧客のシステム開発で培ったノウハウをベースに行われるが、ナレジオンは初めからパッケージを前提に開発されている。こうした点から、当社としてはこれまでにないくらいの力をナレジオンに注いでいる」と、同製品にかける同社の意気込みをアピールした。

同製品の機能に関する説明は、ソリューションビジネス事業部 ソリューション企画部 エキスパートの林伸哉氏からなされた。

現在、中堅・中小企業向けグループウェアの市場が伸び悩んでいるという背景も踏まえ、同製品は同市場を主なターゲットとしているという。

同製品の特徴は、スケジュール管理、施設予約、ワークフロー、ファイル管理、掲示板、Webメールといった日常業務に必要な基本機能の提供に加え、各機能間を連携し、利用シーンに応じて情報を表示する3種類のポータルを融合している点だ。

「スレッド型の掲示板はQ&A形式で書き込むことが可能であるため、わかりやすい。コメントには発信者の顔写真が表示されるので、異なるオフィスの人など、直接会う機会がない人とも親密なコミュニケーションをとることができる。また、テキストマイニング機能付きの検索エンジンもナレジオンの長所だ。Googleなどのサーチエンジンと同様に、検索語句をマーキングしたり、検索結果を前後文付きで表示したりすることが可能なので、使いやすいはず」(林氏)

ポータルは個人用の「マイ・ポータル」、グループでの情報共有のための「グループ・ポータル」、全社での情報共有のための「社内・ポータル」が用意されている。

マイ・ポータルでは、RSSリーダーを用いて外部の情報を取り込むことができるとともに、他のシステムへのシングルサインオンが行える。

グループ・ポータルでは、ファイルやレポートを共有できる。共有ファイルはフォルダ形式で表示され、第2階層以下のフォルダにはアクセス権を設定して、閲覧可能なユーザーを制限することも可能だ。レポートはフォーマットを事前に決めることができるほか、ワークフローはBPMN(Business Process Modeling Notation)という表記法を用いて書くことができる。

社内・ポータルでは、社内ブログによる情報共有が可能であり、検索は、キーワードのほか、オフィスファイルを含むファイル全文で行える。

左から、マイ・ポータル、グループ・ポータル、社内・ポータル

同製品はSaaSでの提供が先行し、ライセンス提供の販売は来年1月から行われる。SaaSサービスエディションには「スタンダードエディション」と「エントリーエディション」の2種類があり、前者のほうが後者より機能が多い。いずれも初期導入費は不要で、前者の月単価は1ID当たり800円から、後者の月単価は1ID当たり300円からとなっている。

SaaSサービスエディションの機能

ライセンスサービスエディションは、1ID当たり1万円からで、年契約保守料は定価の20%となっている。

ライセンスサービスエディションの機能

来年3月には携帯機能のリリース、7月にはアドレス管理機能のリリースが予定されている。さらに、「将来的にはクラウドコンピューティングが企業で浸透した時に、ポータルとしてシェアを獲得したい」と、同氏は同製品の展望について述べた。