NVIDIAは、米国サンノゼ市で開催のGPU TECHNOLOGY CONFERENCEにて、世界初のリアルタイムGPUデバッガ「NEXUS」を発表した。
異種混合コンピューティング環境、待望のデバッギングツールがついに登場
これまでPCにおけるソフトウェア開発環境、デバッグ環境というものは、CPU向けのリアルタイムデバッガと、独立したGPUの解析ツールを使い分けるというのが常套手段になっていた。
開発者側にとってはVisual Studioのような統合型開発環境から、シームレスにCPU側も、GPU側もトレースできるデバッガの登場が望まれていた。
NVIDIAが発表した、シームレスな異種混合型コンピューティング環境対応型デバッガ「NEXUS」は、これを実現する物になる。
PC環境ではデファクトスタンダードな開発環境であるマイクロソフトのVisual Studio 2008に完全統合させることに成功しており、ソースコードレベルでのトレースをCPU,GPUの区別なく行えるところが非常に強力だ。
GPUのトレースはエミュレーションではなく完全にネイティブで実行される。よってデバッグ時と通常実行時でGPUの描画結果が異なるということはない。
また、強力なのは、プログラムを停止させるブレークポイントを、GPU側のシェーダ・ソースコード内にも設定可能という点。さらに、ブレークした時点でのシェーダ・ソースコードの変数値の参照、GPUのネイティブレベルでのステータス値(レジスタ内容など)、ビデオメモリの内容参照も可能となっている。
これまで、PCI Expressバスの向こう側にある"周辺機器"、またはブラックボックス的な遠い謎のデバイスであったGPUを、NEXUSでは、あくまで、透過的な存在として開発者に見せ、さらにトレースできるような環境を提供するのだ。