台湾VIA Technologiesは、グラフィックス性能を強化したMini-ITXマザーボード「VB8003」を正式に発表した。CPU、チップセット、GPUを全てVIA(S3)チップで揃えたTrinityプラットフォームの製品。すでに量産は開始されており、リテール向けにも出荷される予定だという。

TrinityプラットフォームのMini-ITXマザーボード第1弾「VB8003」

VB8003は、CPUに「VIA Nano」(1.6GHz)、チップセットに「VIA VX800」、GPUに「S3 Chrome 435 ULP」を搭載する。VX800はグラフィックス内蔵(Chrome9 HC3)のチップセットであるが、ディスクリートGPUのS3 Chrome 435 ULPも搭載したのが最大の特徴。両者をあわせて、マザーボードとしては最大4画面の同時出力が可能となっている。

ファンは2つ搭載する。右がCPU+チップセット、左がGPUの冷却用

バックパネルには、グラフィックス出力として、HDMI×2、DVI、VGAの各端子を装備。このうち、GPUからはHDMI+DVI、チップセットからはHDMI+VGAが出力されている。ちなみに、チップセットとGPUは内部的にPCI Express x4で接続。GPU用として、基板上にはGDDR3メモリ(256MB)も搭載されている。

バックパネルI/O。グラフィックス出力が4端子もある

メモリスロットは、DDR2-533/667のSO-DIMMを2基装備(最大4GB)。このほか、PATA、SATA×2、コンパクトフラッシュなどのコネクタが用意されている。拡張スロットについては、「VCP(Video Capture Port)」というものが1基用意されているが、これはPCI Expressと互換性はないので注意したい。

この製品はリテール向けにも発売される予定で、実際に店頭に登場するのは10月末くらいになる見込み。Mini-ITX市場では、安価なIntel Atomベースの製品やNVIDIAのIONプラットフォームが人気となっているが、マザーボード単体での4画面出力はユニーク。Mini-ITXの"本家"として存在感を示せるかどうか。