東芝ホームアプライアンスは28日、ドラム型洗濯乾燥機の新シリーズ「ZABOON」(ザブーン)を発表した。ラインナップは、「TW-Z9000」「TW-Z8000」「TW-G500」となっており、発売は11月中旬を予定(TW-G500のみ10月中旬予定)。価格はオープンで、市場価格は、TW-Z9000が31万円前後、TW-Z8000が27万円前後、TW-G500が21万円前後と予想される。

ドラム型洗濯乾燥機の新シリーズ「ZABOON」

TW-Z9000/8000は、洗濯容量9.0kg、乾燥容量6.0kgのドラム型洗濯乾燥機。乾燥時には、省エネ効果の高いヒートポンプが使用される。同社のドラム型洗濯乾燥機というと、エアコン機能を搭載するなど、多機能ぶりが注目されてきた。ところが今年のモデルには、これらの機能は搭載されていない。同社によると、新モデルは「洗浄力、省エネ・節水性、清潔性」といった、洗濯機としての基本性能に注力したモデルだという。

そのキーになっているのが新モーターの採用。洗濯機のモーターでは、洗濯時と脱水時とで、必要な力が異なる。洗濯時には、水を含んだ衣類を動かす必要があるため、大トルクが必要だが、回転速度はそれほど速くする必要はない。それに対して、脱水時には、トルクは洗濯時ほど必要ではないが、高速回転が必要になる。トルクの差は約6倍、回転数の差は約30倍程だそうだ。

磁力が変化する「サマリウムコバルト磁石」を採用することで、モーターの特性を変化させる

強力な「高圧ダブルシャワー」で洗浄液を浸透させる

新モーター「ACTIVE S-DDモーター」は、この2つの特性を1台でカバーするというもの。同社の洗濯機には、以前より、S-DDモーターが採用されてきた。S-DDモーターは、ネオジウムマグネットを使用したDSP制御のダイレクトドライブモーター。ACTIVE S-DDでは、ネオジウムに加えて、電流を流すことによって磁力の強さが変化するサマリウムコバルト磁石を使用。モーターの特性を、低速高トルク型と高速低トルク型とに切り替え可能とすることで、洗濯時には、強い磁力で大トルクを、脱水時には磁力を弱めることで最大1,700回転/分の高速脱水を実現する。

また洗濯時には、大トルクにより、ドラムの急回転、急停止といった制御が可能となり、たたき洗いの効果をアップ。さらに脱水時には、高速回転による徹底した脱水で、その後の乾燥工程での消費電力の削減が可能となっている。昨年モデルの「TW-5000VF」は、洗濯~乾燥のコースで、消費電力が初めて1,000Whを切ったモデルとして話題を呼んだが、新モデルのTW-Z9000/8000では、760Whとさらなる低消費電力化が図られている。

発表会の会場には、新製品のCMに出演する、女優の天海祐希さんも登場。左は、東芝ホームアプライアンスの山下文男社長

このほか、昨年モデルでは、洗浄液を衣類に染み込ませるために、ドラム内に設置されているシャワーのノズルの方向を動かしていたが、新モデルでは、このシャワーの水圧を約5倍にアップ。また、ノズルも2本に増やされている。シャワーの効果と、新モーターの採用によって、洗浄力は約10%向上しているとのことだ(皮脂汚れの場合は約25%向上)。

昨年モデルと同様、「Ag+コート」も採用

昨年モデル同様に、洗濯をするたびに、Ag+成分が溶け出し、衣類をコートするAg+抗菌コートも採用。さらに、TW-Z9000には、先月発表された加湿空気清浄機などにも採用されていた「ピコイオン」発生ユニットも搭載され、水洗いできないものでも、除菌消臭が可能となっている。