モトローラがAndroid携帯発表 - MOTOBLURで差別化図る

米Motorolaは9月10日(米国時間)、Androidプラットフォームを採用した多機能携帯電話と、独自のモバイル・コミュニケーション・ソリューション「MOTOBLUR」を発表した。米国でT-Mobile USAが「CLIQ」という製品名で"Android+MOTOBLUR"端末を秋後半から販売開始するほか、米国以外でもフランスと英国でOrangeが、スペインでTelefonica、中南米でAmerica Movilが、「DEXT」という製品名で販売する予定だ。

Motorolaはこれまで音声とメディア機能に力を入れてきたが、CLIQ発表の席で同社の共同CEOであるSanjay Jha氏は、今後ワイアレス・ブロードバンドを強化する姿勢を明らかにした。その要件として、高解像度ディスプレイ、優れた接続性、HTMLブラウザ、OTAによるソフトウエアアップデート、リッチなメッセージおよびメディア機能、マルチスレッド/ マルチタスクを実現するグラフィカルOS、優れた音質などを挙げた。これらを満たし、かつ開発者コミュニティも成長しているのがAndroidを採用した理由だ。ただし、今日のAndroid携帯には個性がない。Androidプラットフォームは効率的なスマートフォン/多機能携帯の開発をサポートするが、それだけでは製品が似通ってしまう。そこでMotorolaは、個性のあるAndroid端末を実現するために、同社独自のコミュニケーション・ソリューションであるMOTOBLURを組み合わせた。

今日のスマートフォン・ユーザーは、電子メールやIM、様々なソーシャルネットワーキングサービスを使い、サービスごとにプロフィールやコンタクトを管理している。小さな携帯電話でアプリケーションを切り替えながら、異なるサービスの情報やコミュニケーションにリアルタイムで対応するのは難しい。MOTOBLURはウイジェットを用いて、こうしたすべてのソーシャルアクティビティをホーム画面から行えるようにする。FacebookやMySpace.com、Twitter、LastFM、Googleの各種サービスなど、主要なソーシャルサービスに対応する。

MOTOBLURの基本機能は以下の5つ。

• Happenings：フィード、ステータスのアップデート、Wallポスト、写真共有などソーシャルサイトのアップデートがリアルタイムで通知される。

• Messages：テキストメッセージ、ソーシャルサイト・メッセージ、電子メール、IMなど、異なるコミュニケーション手段のメッセージを統合表示

• Social Status：ユーザーが利用しているソーシャルサービスのステータスを一括アップデート

• News Feeds：ニュース、スポーツスコアなど、各種情報のフィードを受信

• Calendar：カレンダー・ウイジェットにスケジュールを統合

MOTOBLURは、電子メールアカウント、ソーシャルネットワーク・アカウントなどからコンタクト情報をMOTOBLURのコンタクトに自動同期する。ソーシャルサービスにおける友だち情報やコンタクト情報のアップデートも自動的に反映される。こうしたデータはMOTOBLURのサーバで保管され、端末を交換したときにはMOTOBLUR IDとパスワードを入れるだけで簡単にデータを同期できる。また端末を紛失したときにA-GPSを使って場所を特定できるほか、リモートからのデータ消去もサポートする。MotorolaはCLIQ/DEXTを皮切りに、今後18カ月の間にMOTOBLUR対応機種を積極的に拡充していく計画だという。

CLIQはAndroid 1.5 (Cupcake)を搭載。WCDMA 900/1700/2100、GSM 850/900/1800/1900、HSDPA 7.2 Mbps、EDGE、GPRS Class 12などをサポート。Wi-Fi(802.11 b/g)、Bluetooth、GPSなどを備える。ディスプレイは3.1型(320×480ピクセル)。スライド式のQWERTYキーボード、写真および動画撮影に対応する500万画素カメラ、microSDスロット、3.5ミリオーディオジャック、加速度センサ、近接センサを装備する。サイズは114×58×15.6ミリで、重量は163グラム。