アップルは28日、Mac OS X Snow Leopardの出荷を開始した。東京・銀座のアップルストア銀座では、午前10時のオープン時間を1時間前倒しして開店。開店前に約50人が並んだ。

「Mac OS X 10.6 Snow Leopard」

同店では、午前9時時点にはすべての展示機をSnow Leopardに入れ替え、来店者が最新の機能に触れることができるようにしていたほか、随時、店頭でのデモストレーションを行いながら、来店客にSnow Leopardの特徴などを訴えた。

店頭ではデモを行い、Snow Leopardの特徴をアピール

Macユーザーだけでなく、Windowsユーザーにも使ってほしいOS

アップルでは、Snow Leopardの位置づけを次のように語る。「アップル史上最高に売れたパッケージソフトであるLeopardを進化させた、よりよいLeopardがSnow Leopard」--。

これまでのMac OS Xには、TigerやJaguar、Pumaなどの猫科の動物の名前がつけられてきた。Leopardも、Snow Leopardも同様に猫科の動物だが、今回の違いは、Leopardという名前を残しながら、新たにSnow Leopardという名前を採用した点だ。「このネーミングからも、よりよいLeopardという意味が伝わるはず」とアップルでは語る。

「既存のMacユーザーに対しては、より良くなったLeopardとして活用していただき、Widnowsユーザーにとっては、真っ白な状態から使っていただいても、Macの良さがわかるというのがSnow Leopard」と、語呂合わせのようにして説明。Snow Leopardの進化のポイントは、「これまでにない使いやすさ」、「これまでにないスピード」、そして「Exchange」であるとする。

きめ細かな改良により「使いやすさ」が向上

「使いやすさ」という点では、インタフェースは従来のLeopardを踏襲しているといっていいが、細かなところで変更を加えている。例えば、書類フォルダ内に保管されたデータのアイコンは、最大512×512までのサイズで表示が可能になるなど、視認性を高めているのが新たな特徴。複数ページがある場合にはアイコン上からページをめくることができ、映像ファイルであればアイコン上で動画再生が可能だ。大量のファイルがある場合にも、スクロールバーを使って表示できる。

また、ウィンドウを効率的に表示できるExpose機能も、Dockバーの中からアプリケーションごとに開いているウィンドウを前面に表示するといった機能を新たに追加している。「デスクトップ画面を見ると、壁紙のオーロラの表示が少し明るくなったという程度しか変わらないようにみえる。インタフェースは変わらないのではなく、変えなかったということ。Leopardにおいて、高いレベルの使いやすさを実現できているのが要因。Snow Leopardでは、その上で、より使いやすさを追求した」と語る。

Quick Time Xも、「これまで悪い意味で引きずってきたものを捨て、動画上にヘッドアップディスプレイ(フローティングウィンドウ)を置き、操作が必要なときにすぐに操作できるという方法にしたほか、動画のトリミングをしたり、直接、YouTubeへのアップロードや、iPhone、iPod、AppleTV、Macをはじめとするコンピュータ向けにそれぞれに最適化した形へと自動的にエンコードする機能を搭載した。バックエンドでの技術は大きく進化しているが、ユーザーにとっては、使いやすい、わかりやすい、楽しいという点しか見えないようになっている」と説明した。

そのほか、Snow Leopardは現行のLeopardに比べ半分のサイズとなることから、インストール後のHDDの空き容量が最大7GB増えるという特徴もある。