旅が大好きである。
毎月どこかへ出かけている。
そして今回も、7月後半の6日間、奄美大島と沖縄に出かけた。

今回の旅の主目的は、そう、皆既日食。日本国内では46年ぶり、かつ鹿児島県・トカラ列島の悪石島では皆既時間が有人地域で21世紀最長ということで話題を呼んだ、あの皆既日食である。

事の起こりは3年半前にさかのぼる。よく一緒に旅をしている友人と、奄美大島を訪れた。その旅の途中で、3年半後に奄美大島で見られる皆既日食の話題になった。 そして、決まった。「2009年7月には、またこの島に来よう」……と。アクセス、天候条件等さまざまな事情を勘案して、観測地としては奄美大島がいちばんいいだろうと考えたわけである。

それからおよそ1,200日。2009年7月20日の夕刻、僕と友人の彼は羽田から鹿児島に向かう機中にいた。3年半前の誓いのとおり、僕らは奄美大島をめざすのだった。

7月20日夕方。これからこの飛行機に乗って鹿児島へ飛び立つ。現地は雨が降っているらしい。2日後に迫った皆既日食は大丈夫だろうか……

富士山の横を通過。3,776mの頂上付近に笠雲がかかっているのが気にかかる。関東や東海も雨ですかい?

機動性に優れる「旅カメラ」

3年半をかけて温めた今回の旅。皆既日食を自分の目で目撃し体験することが、まず何よりの第一目的であることはいうまでもない。加えて、コロナやダイヤモンドリングといった皆既日食特有の現象をカメラに収めることも大きな目的だった。

デジタル一眼レフカメラに望遠ズームレンズと日食撮影用フィルターを取り付け、さらにガッシリと重い三脚も携行。夏の旅とはいえ荷物はそれなりに大きく、重くなった。

問題は、カメラ。僕は旅の写真をコンパクトデジタルカメラ、いわゆるコンデジで撮ることが多い。旅でもっとも重視するのは機動性。デジタル一眼は愛用しているけれど、どうにも重すぎるキライがある。交換レンズまで持っていけばなおのこと重くなり、できることならあまり大きくないリュックひとつで動きたい僕には、機動性に欠けるのが難点なのだ。

撮影可能枚数1,000枚という長寿命バッテリーを搭載した「EX-H10」

だから「超気合入れて凝った写真を撮ろう!」なんてとき以外の旅では、僕はコンデジしか携行しない。今回も、皆既日食以外のシーンではできればコンデジで活発に歩き回りたいところ。そのため、デジタル一眼レフは日食撮影用と割り切り、旅のスナップはコンデジに一任することにした。

白羽の矢を立てたのが、カシオ計算機の「EXILIM Hi-ZOOM EX-H10」である。このカメラ、なんと撮影可能枚数が1,000枚に達するという大容量バッテリーを装備している。しかも広角24mmからの光学10倍ズームを搭載し、広い画角を活かした風景撮影でも、遠くのものに寄って撮りたいシーンでも活躍してくれるスグレモノ。おまけに、光学10倍ズーム搭載機としては薄型で軽量だから言うことナシだ。

光学10倍ものズームを搭載しながらポケットに入るサイズだなんて、機動性を重視する僕の旅のスタイルからしたらまさにスイゼンモノ。ポケットで携行すれば重い荷物をさらに重くしてしまう心配は不要だし、しかも1,000枚も撮れるとなれば、充電器を持っていかなくてもいいかもしれないわけだ(今回は念のため持っていったけれども)。

いつもの旅なら左のリュックひとつ。今回は三脚という大物やデジタル一眼レフの望遠ズームレンズも持っていかなければならなかったため、右のバックも必要となった。「EX-H10」のようなコンパクトデジカメなら小さなポケットにもしまえるのでベンリ

ともあれ、話を7月20日に戻そう。僕と友人は、夜7時前に鹿児島空港へ着陸、鹿児島の繁華街・天文館に移動して、ホテルに泊まった。今回チョイスしたのは、翌21日に鹿児島から船で奄美大島へ渡り、体育館に2泊して、23日に奄美大島から那覇へ船で向かう皆既日食ツアーである。

鹿児島に着き、さっそく繁華街・天文館の居酒屋で、さつま揚げやカツオ腹皮をつまみに芋焼酎を一献

同じく天文館の一角で発見したナゾのニワトリのイラスト。「赤塚不二夫」と署名があるので調べてみたら、やっぱり赤塚さんが描いたものだった

21日。午前11時に、奄美大島へ向かうフェリーは鹿児島を出航した。乗船客はツアー参加者約400人。奄美大島の名瀬港までは11時間。出航すぐに客室で眠りに就く人もいれば、デッキに出ずっぱりで海風を浴び、景色を眺めつづける人もいる。(船に弱い人を除けば)みな思い思いに船旅を楽しんでいた。

出航直前のフェリー「クイーンコーラル8」の船尾から桜島を望む。富士山に続き桜島も頂上が雲に覆われている……

フェリー船内で販売されていた「さつまどりしおサブレ」の皆既日食バージョン。トカラ列島の「子宝の温泉塩」を使っているのだとか。鹿児島や奄美ではいたるところでコロナをあしらったデザインを見かけた

同じくフェリー船内で、観光地などでおなじみのコレを発見。やはり「皆既日食」の文字がしっかり記されている

トカラ列島・悪石島の近海を通過中。「鮮やか風景」「もや除去」という2モードが用意された新機能「風景メイクアップ」の「もや除去」で効果を「+1」に設定して撮ってみたところ、肉眼でもやや見づらかった悪石島の姿がきっちり浮かんできた

フェリーは午後10時に名瀬港へ入港。そこからさらに50分ほどバスに乗って、深夜ようやく宿泊会場である太陽が丘総合運動公園に到着した。新着の400人を加えた同公園の体育館とテントはこの夜、合計1,200人に膨れ上がった。仮設シャワーや屋台村もある。ひとつのちょっとした村みたいなものだ。…つづきを読む

公園の周囲にはハブよけネットを設置。地元警備会社の警備員いわく「奄美大島は人口が6万人なのにハブは160万匹いるんですよ」。160万という数が本当かどうかは知らないけれど、とにかくたくさんいるらしい。ただし同公園では皆既日食期間中、咬まれる被害はなく、警備員の巡回でハブが発見されたこともなかったとのこと

こちらは同公園内のテントサイト。広い公園敷地内の4つのゾーンがテント用エリアとして使われた。公園には仮設シャワーが設置されたほか、プールやテニスコートも利用できたので、日食以外にもいろいろと楽しめた

公園内の屋台村。カレー、焼きそば、おにぎり、やきとりといった定番メニューのほか、奄美の地元の食材を使った料理もあった。もちろん生ビールや奄美の黒糖焼酎も用意

屋台で買った赤ウルメの唐揚げ。沖縄好きならすぐにピンとくるはず、これは沖縄で言うところのグルクンである