「DataSalvager 3.0」起動ロゴ画面

「DataSalvager 3.0」(データサルべージャー)は、国内有数のドライブメーカーでもあるアイ・オー・データ機器が作ったファイル復旧ソフトだ。「しまった!大切なファイルをうっかり消してしまった!!」という苦い経験は誰にでもあるはず。そんなときに助けてくれる強い味方がファイル復旧ソフトだ。「DataSalvager」はバージョン3.0で新たにフォルダ構造を復旧する機能を搭載したので、復旧したファイルが元々どこにあったファイルなのか、非常にわかりやすくなった。

ファイル復旧ソフトとは

ごみ箱を空にしてしまった後や、フロッピーやMO、メモリカードなど外部記録メディアをフォーマットしてしまった後、またはWindowsがフリーズした後など何らかの理由によりデータが論理的に破損してしまった場合、実は見えなく(ファイルの中身であるデータ本体へアクセスできなく)なっているだけで、新たなデータで同じ場所に上書きされるまでは無事であることが多い。そんなときに残っている情報を解析して、なんとかファイルの復旧(回収)を試みるのがファイル復旧ソフトだ。

「DataSalvager 3.0」の対応OSはWindows 2000 Professional / XP / Vista。CPUはPentium III 450MHz以上推奨、メモリ128MB以上推奨(Vistaの場合512MB以上)インストールに必要なハードディスク空き容量20MB以上(別途復旧するファイルを出力する容量が必要)。ベクターPCショップからダウンロードで購入できる。価格は2,980円。同じくベクターに機能限定の体験版も用意されている。本稿では、この体験版を使ってレビューしてみる。

「簡単ファイル検索」ならたった3ステップで復旧

消してはいけないファイルを消してしまったら、他の作業は中止して即「DataSalvager 3.0」を立ち上げよう。現在作業中のファイルを保存したりブラウザでWebページを移動したりするのは、ファイルを復旧した後にすべきだ。実行中のアプリケーションを終了するのも止めておいたほうが良い。作業中や終了時に編集中のファイルや設定を自動的保存するものもあるので、復旧したいファイルに上書きされてしまうかもしれない。「DataSalvager 3.0」は全画面サイズで起動し、最小化以外にサイズ変更はできないようになっている(図2)。

図2 「DataSalvager 3.0」は全画面サイズ

開始ページのアイコン(図3)は左から、「開始ページに戻る」「マニュアル検索」「簡単ファイル検索」「スキャンの開始」「中止」「フォルダの回収」「ファイルの回収」「ファイルのダンプ」「ファイルのプレビュー」「設定」「ヘルプ」となっている。

図3 開始ページ(スタートウィンドウ)の左上に並ぶアイコン

復旧はまず目的のファイルを検索ボタン(図4)(ファイルメニュー、アイコンでもよい)で探し出す(スキャンする)ことから始める。「簡単ファイル検索」を使えば高度な設定や操作は不要だ。

図4 開始ページの検索ボタン

画面に出てくるわずか3ステップの案内に従うだけで、迷うことなく目的のファイルを検出できる(図5~8)。 あとは復旧したいファイルをその中から選択(複数選択やフォルダを選択することもできる)し、[操作]メニューかアイコンまたは右クリックメニューで「回収」を選ぶだけだ(図9)(体験版でできるのはここまで。実際に復旧まではできない)。

図5 「簡単ファイル検索」のステップ1。復旧したいファイルのあるドライブを選択する。「DataSalvager 3.0」起動後に新しくつないだリムーバブルドライブを選択するには「DataSalvager 3.0」を再起動する必要がある

図6 ステップ2。復旧したいファイルの種類を選択する

図7 検索中の画面(スキャンウィンドウ)。上段は検索の進捗状況(ドライブ全体をスキャンする)、中段は検出されたファイルのリスト、下段はイベントログ

図8 検索結果の画面(メインウィンドウ)。左にツリー構造でフォルダが表示される

図9 ステップ3。リストから復旧したいファイルを選んで「回収」する

目的のファイルを探すのに便利なフォルダ表示&プレビュー機能

復旧したいファイルを特定するには「ファイル名」そして「サイズ」「種類」「日付」を参考にするのが普通だ。しかし昨今のPCのHDDは大容量なので検索結果で膨大なファイルがリストアップされることもあるので、目当てのファイルを見つけるのは大変だ。「DataSalvager 3.0」ならかつてファイルが保存されていたときのフォルダ名がツリー構造で表示されるので実に見つけ易い。

更に、テキストファイルや画像ファイルなどで対応するファイル形式であれば、実際に復旧を行う前にプレビューで確認できる機能がある(図10、11)ので、より確実に探し出せる。対応するファイル形式は、txt/htm/html(テキスト表示のみ)/rtf/jpg(JPEG)/tif(TIFF)/gif/png/doc(テキスト抜き出し)/bmp/mp3(タグ情報のみ)だ。

図10 復旧したいファイルかどうか、プレビューで確認できる。これは文書ファイルの例

図11 こちらは画像プレビューの例

それ以外のファイルはアイコンや右クリックメニューの「ファイルのダンプ」で16進数と文字で表示できる(図12)。

図12 プレビューできない種類のファイルはダンプ表示すれば確認の手がかりになる

図13 「簡単ファイル検索」でうまくいかないときは「マニュアル検索」で「スキャン方式」を自分で選ぶ

図14 検索前や検索後のプレビュー前に「設定」で対象を絞り込めば、ファイルを特定しやすくなる。「基本設定」ではファイルの更新日時、サイズを指定できる

図15 「対象ファイル」「除外ファイル」ではワイルドカードを使用できる